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このアウトドアの店の隣に、コーヒーショップが併設されていた。食事をしたかったので、近くでレストランを探そうかとも思ったが、とにかく早く地図を見たかったので取り急ぎコーヒーショップに入り、テーブルの上に地図を広げた。
思えばコーヒーを口にしたのも久しぶりだった。そのせいか少し苦く感じたが、気分は落ち着いた。
地図に目をやると、レイクパウエルに流れ込むエスカランテ川と、ホール・イン・ザ・ロック・ロードとは、ほぼ平行して走っていた。ナチュラル・アーチが点在するのも、またこの一帯だ。長老の話によると、“弓”の次は“窓”ということだった。いったいどのアーチだろう。位置からすると、サンセット・アーチかスティーヴンズ・アーチか、あるいはジャコブ・ハンブリン・アーチだろうか。途中、クリフ・アーチやコヨーテ・ブリッジというのもあるが、表記が小さいところを見ると、アーチそのものもさほど大きくはないのだろう。さらに川の上流の方に目をやってみる。デビルズ・ガーデンのメテート・アーチやマノ・アーチもある。ただし、いずれもあまり大きくはない。
形状を考えると、“窓”に例えられるアーチならいくらでもありそうだ。いったい何をヒントに、答えとなるアーチを探せばよいのだろうか・・・。
手がかりがつかめないまま、僕はいったん店を出ることにした。
目抜き通りの中ほどに、恐らく町で唯一ではないかと思われるファーストフードの店があった。ここでサンドイッチとサラダを買い込み、モーテルに戻って部屋で食事を取ることにした。
テーブルに地図を広げ、もう一度じっくりと眺める。
よくよく見ると、広範囲にわたり結構な数のナチュラル・アーチが載っていた。さっきは気づかなかったが、“門”があるレイクパウエルと、ブロークン・ボウとの間にもベメント・アーチやラ・ゴース・アーチといった記載が見られた。もっとも、これらのアーチは僕が辿ったルートからは横に大きくはずれているので、その位置からしても、無視してしまって問題ないだろう。
レインボーブリッジ、“門”、ブロークン・ボウ・・・残りは4つ。“内界”に光と風を送り込むわけだから、それなりに大きいアーチに違いない。候補となるアーチは、エスカランテ川に沿って北西の方角とわかっているので、とにかく大きそうなところから、しらみつぶしにしていくしか方法はないのかもしれない。
ただ、それは大変な作業だ。トレイルヘッドからは足で歩くしかないとしても、そこまで毎回、自転車を走らせるというのはあまりに時間がかかりすぎる。体力だって、いつまでもつかわからない。はたして期限内に、ジョッシュを見つけ出すことができるのだろうか?
僕はベッドの上に寝転がり、大きなため息をついた。そして、そのまま深い眠りについた。




