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君の歌声と。  作者: 結季奏
10/20

10話

「ユキコ!」


そう、私を呼ぶ声がする。

「誰?……」


「僕だよ」


振り返るが……誰の姿も見えない。


「誰なの?」


「……僕は……」


遠くの方でうっすらと影が見えた。

見知らぬ制服を着た男の子。

その影はだんだんと近づいてくる。


「ユキヤ……??」


その影はすうっと消えた。



ただただ白い空間に1人。

夢を見ているのだ。

ふと、そんな事を思った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー…


けたましく鳴り響く目覚まし時計。

針が指す時刻は午前10時。

完全に遅刻だ。

もう授業も始まってしまっている。


そういえば、今日も不思議な夢を見た。

見たことのないはずのユキヤの顔がはっきりとわかったのだ。

……といっても本当にそんな顔なのかはわからないが。


にこり、と笑ったような気がした。


夢の中の出来事の記憶はどんどん薄れてしまっている。しかし、懐かしい気分は胸の中まだある。



ユキヤを見てみたい。声が聞きたい。

ユキヤの歌声をまた。






少しでも可能性があるのなら。

学校をさぼり、私は、ある場所に向かった。

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