ありゃ?うっかり☆
128話になります!
本日2回目の投稿になります!
それではどうぞ!!
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ...」
「グゲゲゲゲゲゲゲゲ!!次は誰が死にてえかぁ!?」
「ちっ、まさかここまでルキフグスとかいう奴が強いなんて...」
ヴァーチュは、悔しそうに歯を食いしばり拳を握る。
現在交戦中であったが、ルキフグスの力が余りにも絶大過ぎて攻撃を受けた者達は1人、また1人と負傷し戦線離脱していき、ヴァーチュ達はたった6人になってしまった。
「(何故たかが上級魔族がここまでの力を持ってるんだ...?)」
ヴァーチュは圧倒的強さを持つルキフグスに対しこのような疑問を持ち始めていたようだ。
「グゲゲゲゲ!我に勝てる者などサイラー様以外おらぬわぁ!!」
ルキフグスはクジラが命名したゴキブリ魔族というあだ名が相応しい気持ち悪い笑みを浮かべながら言い放った。
「ちっ、くそが!(何だ...、あいつには何が仕込まれているんだ...!?)」
ヴァーチュ達は防戦一方であった。
同時刻、場所は移りヤヨイとリーシャは2階にて色々な部屋へと入り、クジラ探しをしていた。
セキュリティがザルなのか、侵入されたからどうなる?と思われているのか、追っては無かった。
「げほっ、げほっ、あぁ、それにしてもさっきから埃がすごいわね...。
それでリーシャ、この部屋は手がかりになりそうな物はありそうかしら?」
「うーん、この部屋も何も見つからないね...コホッ、コホッ」
どうやらこの館は何処も埃まみれのようだった。
この館は、今まではこの場所には無かったという。
恐らく魔神が、つい最近何らかの魔法で組み立て上げた新築であろう。
なのに、何故か何十年も掃除してないかのように埃がすごいようであった。
これはどうなっているのか?
仕様なのか?
これこそ本当の謎である。
2人は、そんなところをずっと探索していた為、埃を被りまくりである。
「はぁ、それじゃあ次の部屋へと行きましょ?」
ヤヨイは、
この部屋も外れなのね...。
などと、1人ぼやきながら、リーシャに対してそう言った。
「うん、そうだね...。早く見つける為に頑張ろう!」
2人は、何十部屋もある館の2階の部屋を1つずつ踏破していった。
そして、次の部屋へと入る。
その部屋は、他の部屋と比べると大きく違う点があった。
「ん?ねぇヤヨイ...、ここだけなんか...、綺麗じゃない?」
「そうね...。なんか掃除されてて人が生活してる感が溢れてるわよね...」
そう、部屋が綺麗なのだ。
「それにあれは何かしら?」
ヤヨイは、先ほどまでの部屋とは違う、明らかに何かしら意味がありそうな物体を見つけた。
「わぁぁぁ、何か凄い綺麗な玉だね...」
リーシャは息を呑みつつ感嘆の声を上げた。
その物体は、紫色に輝く水晶玉の様な物であった。
「はぁぁぁ...綺麗だなぁ...。」
リーシャはうっとりとした顔をしながら紫色に輝く水晶玉の様な物を手に取る。
「本当不思議な輝きを...へっくしゅ!!!」
「わひゃあ!?」
ガシャアン!!!
「「...あっ」」
ヤヨイは、先ほどまでの埃が鼻に残っていたようでくしゃみをした。
リーシャはそのくしゃみの音に驚き水晶玉の様な物を落としてしまった。
結果、粉々である。
相当脆い玉だったのであろう。
「や、やばいよ!?ど、どうするヤヨイ!?」
「焦らないの...。ここは落ち着いて...」
ヤヨイは一呼吸置く。
「落ち着いてどうするの!?」
リーシャは続きが気になり尋ねる。
「いいから落ち着いて...逃げるのよ!!!!」
「わかったよ!!」
ヤヨイは自分が割った原因の一角であるのに悪びれもせず一目散に廊下へ出ていった。
リーシャとそのノリに乗っかり、ヤヨイを追いかけ玉は放置し逃げて行った。
果たして、あの玉は何だったのか...?




