誠意を込めて...
119話になります!
昨日、一昨日は私情ながら本当に申し訳ございませんでした。
本日から再び2話投稿に戻させて頂きます。
さて、本日1回目の投稿になります。
それではどうぞ!!
ドシュウウウウ
「2人共!クジラの手がかりが見つかったぞ!!」
ヴァーチュは、魔王理事会にて重要手がかりとなる置物を邪神のおっさんへ渡し、報告の為にリーシャとヤヨイの元へと戻ってきた。
「本当に!?それで、何処にいるの!?」
リーシャはその言葉を聞いてパァっと顔が明るくなり、椅子から立ち上がった。
しかしヤヨイは、まだ話に続きがあると察したのか、今も喜ばず座っていた。
「すまない、まだ場所はわかっていないんだ。だけども、クジラがなんでいなくなったのかはわかった」
「そんなぁ...」
ガクッ、
リーシャは、再び今にも泣きそうな顔になりうなだれてしまった。
ヴァーチュは、
言葉が足りなかったな...
などとリーシャの気分を上げて落とした事を若干気にしていた。
「それで、クジラがいなくなった訳は何なのよ?」
ヤヨイは冷静にヴァーチュへ尋ねる。
「ああ、それなんだがな...。」
ヴァーチュは、今わかっている事を全て話した。
魔神のこと。
魔神の手がかりとなる置物があった怪しげな民家のすぐ近くで、クジラと何者かによる魔力での交戦があったこと。
殺したならば絶命した場所に絶大な魔力が放出されるはずだから殺されてはいないこと。
これから場所特定次第、魔神を討伐に行くこと。
「そんな...、なんでクジラはそんな大きい事件に巻き込まれたの!?」
「それは俺にもわからない。何故、クジラはあんな人気の無い路地裏にいたのか。」
不可解なことばかりだ。
と、ヴァーチュはリーシャに対して唱える。
「ヴァーチュ。これから特定次第討伐に行くっていったわよね?」
「あぁ、それがどうかしたのか?って何してやがる!!??」
ヤヨイは、ヴァーチュが質問を肯定した時、ある行動を起こした。
「足手まといになるのはわかっています!
それでも、わたし達はクジラに数え切れないくらいの恩がある!
少しでもクジラ救出の力になりたいのよ!!
お願いします!
わたし達を討伐のメンバーに加えてください!」
なんと、あのヤヨイがヴァーチュに土下座をしながら頼み込んだのだ。
「わ、私も!お願いしますヴァーチュ!!」
リーシャもヤヨイの横に座り土下座をする。
まさかこんな事をされるとは思わなかったヴァーチュは、唖然としていた。
しかし、すぐに我に返ったようだ。
「やめろ!顔を上げてくれ!」
「「討伐メンバーに入れてください!!」」
「うっ...、」
2人の熱心な思いに、ヴァーチュは縦に頷く事しかできなかった。
「それでも後方支援だけだからな!
それと、いつになるかわからないが討伐戦の日まではずっと迷宮で特訓してもらうぞ!?
それでいいなら討伐隊加えてやる!
だから顔を上げてくれ!」
ヴァーチュはそう言い放った。
「ヴァーチュありがとう!!」
「恩に着るわ。(はぁ、よかったわ...。土下座だけで済んで...。)」
2人は顔を上げ、それぞれお礼を言った。
ヤヨイは、断られた事も想定して次の手を考えていたようで、その手を使わなくて済んだ事に酷く安心していたようだ。
考えていたのが、どんな手だったのかはヤヨイのみが知ることだ。
まぁ結果として、2人もクジラの救出を手伝えるようになったようであった。




