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(^ q ^)おーん

114話になります!


本日2度目の投稿です。


それではどうぞ!











おーん


おーん


おーん




「声が近くなってきたな...。多分人間だと思うけど、一体なんの為の行為なんだろう。」


クジラは、先ほどから絶えずにずっと聞こえてくる謎の声の元へと向かい歩いていた。


辺りはもう真っ暗であり、しかも歩いていった先は、路地裏ということもあり魔力灯と呼ばれる街灯が無くほぼ真っ暗闇である。


おーん


おーん


おーん


「...ん?どうやら、あそこの民家っぽいね...。ていうかそんな大きい声でもないのに、よくあっちの路地まで聞こえてたね」


捜索始めて3分。


とうとう謎の奇声の発声場所がわかったようだ。


クジラの発言からするに、別に大声でやっていたわけでもないのだが、徒歩で3分。約400m離れたクジラのいた路地まで声が響いていたようだ。


「もしかして拡声器の魔道具とかかな?」


クジラは声が遠くまで届いていた事に対して、冷静に適当な意見を呟いた。


「さて、どうしようか。窓は暗幕掛けられてるか...。うーん、中が気になるなぁ...。目の前にいるから、下手に音がうるさい具現化魔法も使えないし」


クジラはこの謎の音を探ろうにも、名案が思い浮かばず民家の前で立ち往生していた。


そんな時であった。


「ふむ、何者かが探ってきたと思ったら、小僧ではないか」


黒いマントを羽織った、肌が紫色の老人が近くに寄ってきた。


しかし、辺りが真っ暗な為、クジラには全身真っ黒な老人に見えている。


「おい、小僧。貴様は何しにここにきた?」


老人は淡々と問いかけてくる。


「あの、なんか変な声聞こえるなーって思って探してたらここに着きました」


「ふん、唯の小僧に聞かれてしまっていたのか。ここはもうダメだな」


老人は謎の独り言をごにょごにょと呟く。


「それで、この声はなんなんですか?」


クジラは明らかに怪しい老人を前に、気を緩めずに身構えながら尋ねる。


「小僧。貴様は意味がわかっていないようだが、聞かれてしまっては始末しなければならない。惨めに野垂れ死ぬがいい!」


老人は話す気など一切無いようで、懐から取り出した短杖をクジラへ向ける。


「えっ!?ちょっ!?」


短杖の先から、闇色の炎が火炎放射のように吹き出る。


クジラは突然であったが、神速があることによって、容易に躱す。


「ちっ、たかが小僧に躱されるとは...。いまだこの姿に慣れていないせいか。」


相変わらず謎の老人はブツブツと1人何かを呟いている。


『おーん!おーん!おーん!』


老人とクジラが戦闘を始めたことにより、大きい音が立ってしまった為か、民家の中から、痩せこけた老若男女30人ほどがゾンビのように這い出てくる。


「うわぁ!?なんだこいつら!?気持ち悪い!!」


クジラはリアルでそのような光景を見て、率直な感想を放つ。


『おーん!おーん!おーん!

魔神様バンザイ!

おーん!おーん!おーん!」


痩せこけた老若男女30人はそのような事を叫びながら外へ出てくる。


「うわっ!うわっ!うわぁぁ!!」


クジラは恐怖に耐え切れず、全力で逃走を始めた。


恐怖のあまり、空間移動すら使えるのを忘れて、自分の足で逃げ始めたようだ。



「逃がすな!捕まえろォ!!」


怪しい老人は、老若男女共に指示を出す。


『おーん!おーん!

魔神様バンザイ!

おーん!おーん!』


老若男女共も謎の奇声をあげ、指示に従いクジラを追いかける。


どうやら見た限りだと、この老人は立場が上の物のようだ。










「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


クジラは路地裏を全力で駆け回る。





「はぁっ、はぁっ、もう追っては来ないかな?」



クジラは神速の補正により、とてつもない速さで逃げ回り、謎の集団は上手くまいたようだった。


「それにしても何だったんだろう...。

たしか、おーんおーんおーん魔神様バンザイおーんおーんおーんとか言ってたよね...。

まさか、こないだヴァーチュが言ってた平和を脅かすっていう、魔神に対する宗教!?」


クジラは、老若男女が発していた言葉を思い出し、先ほどの集団についての考察を始める。


「それに、初めの老人は出してきた魔法的に魔族、それかそれに関係するなにかのはずだし...」


そういって闇色の炎を思い出す。


クジラは前日に、ヴァーチュから魔王術について少し教わっていた。


黒い炎というのは、魔族、それか魔族から与えられた力があるものにしか使えないらしい。


クジラはそれを教わっていたからこそ、そのようにしっかりとした考えを持つことが出来ていたみたいだ。


「ふん、小僧。人間の癖してなかなかの速さを持っているではないか」


「へっ!?」


ダンッ!


クジラが考えを纏めていると、空から先ほどの老人が降りてくる。


「小僧、逃がさないと言ったはずだ。しかし、こんな素晴らしい若者を殺すのは勿体無い。精神を支配し、我が駒にしてやるとしよう」


「うわぁ、負けたらどう足掻いても絶望じゃないすか...」


クジラは恐怖を和らげ、余裕を見せる為にか、適当な軽口をたたく。


「ふん、そんな事を言えるのはこれが最後だ!さぁ我が駒となるがいい!!」



老人はクジラの軽口に多少苛立ち、真っ正面から攻撃を繰り出そうとした。
















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