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定時帰宅!?ホワイトだなぁ...

106話になります!


本日2回目の投稿です


それではどうぞ!!




「おおっと、もうこんな時間か」


それから、特に迷宮で異変はなく会話を楽しんでいる、とヴァーチュが腰についていた懐中時計を見て言う。


「今は...7時か。(へぇ、懐中時計の魔道具が普及してるんだね)」


クジラはスマホを取り出さず、あえて腕時計をリュックから出し時間を確認した。


「いやぁ、1人じゃなかったから時間が過ぎるのがはやいぜ。そろそろ帰り支度すっかな〜」


「え、迷宮って定時制なの?」


「ん?あぁ、夜の迷宮まぁ、約6時頃から朝4時だな。

この時間は、魔物の強さと瘴気が数倍上がるから、確かな腕を持つ、ギルドから夜間用の証明書をわたされた探索者しか行けないのさ」


「え?どういうこと?」


リーシャは訳がわからないという顔をして聞き直す。


「つまりは、夜間用の証明書が貰えるほど腕のある人は、最前線の階層しか行かないし、上は瘴気の多い魔物しか生息しない。

しかも、夜はそれが数倍になるから、瘴気不足で危機に陥る事は、ほぼ100%無いから管理する必要がないんだね」


「あぁ、そういうことだ」


クジラは定時で帰れる理由を聞き、わかりやすく簡単に言い直し、ヴァーチュもそれを肯定する。


「なるほど!私にもわかったよ!」


リーシャも理解したみたいだ。


「まぁ、夜なにもしない分、明日の朝に、勤務開始すると同時に魔物増加の投影文字が、沢山表示されるがな」


ヴァーチュは


わっはっは!


と大袈裟に笑い飛ばす。


「ねぇねぇヴァーチュ、魔物が増えすぎると何かあったりはしないの?」


リーシャが気になったのかヴァーチュに質問する。


「増えすぎると探索者の死亡リスクが上がるって事だけだな。

だからなるべく探索者の死亡率を下げて、尚且つ迷宮が消滅しないように保つのが俺らの仕事って訳だ」


「気になったんだけど、消滅したら何かあったりするのかい?」


今度はクジラが質問を浴びせる。


「周囲が大爆発するぞ」


「「「えっ!?」」」


いままで興味無さそうに黙って聞いていたヤヨイまでもが驚き声を上げる。


「なんだ?おまえら知らなかったのか?迷宮ってのは消滅するとかなり危険なんだぜ?

それに、消滅以外では無くす方法が無いからやっかいなんだ。まぁそのおかげでこの仕事にありつけている訳だがな!」


ヴァーチュは、地味にスケールのデカイ話を、さも笑い話をしているように話してくる。


「それじゃあ探索者ってのは何のために?」


クジラがさらに質問をする。


「それはだな。確か...、平和とはいえ、いつ何が起こるか分からないから、自衛の為に自らの能力を磨く。

とかいう理由で迷宮開いたのがきっかけだったか?

それから、迷宮で財宝が手に入る事が話題になって、着々と探索者は増えて、気がつけばギルドとかいうのが出来てたって感じだったと思うぞ?」


「へぇ、地味に奥が深いんだね」


クジラは頷きながら真剣に話を聞いている。


「今言った歴史は、詳しい人くらいしか知らないような事だから知らなくても当然か。まぁ頭の隅っこにでもとめておいてくれ」


「いやいや、なかなかタメになる話だったよ。話してくれてありがとう」


クジラはそうお礼を言った。


「...そんなタメになるほどのものかしら?」


「...私にはそうは思えなかった」


女性陣2人はそんなことをボソッと会話していた。


きっと歴史は男のロマンというようなものなんであろう。


「じゃっ、俺は帰るわ。っと、そうだ。これ渡しておく。

無いとは思うが、もしも夜中に迷宮で危ないほどの異変が起きた時に、この石が光り輝くから持っておけ。

それじゃあな!」


そういってヴァーチュが、一見ただの黒い石に見える鉱石をクジラへ渡して、黒い闇の狭間のような空間を作り出し、中に入り消えていった。


「それじゃあ僕達も帰ろうか」


ブゥゥゥゥン


クジラは再び、なにかを捻じりあげるような音のする空間の歪みを作り出す。


「えっ!?クジラも空間移動出来るようになったの!?」


気絶していた為に、クジラの空間移動を初めて見たリーシャが驚いていた。











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