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823/2000

特別な雰囲気




6章243話になります!


本日2回目の投稿です!!


それではどうぞ!!









「それにしてもリーシャ、そのドレスはどこから持ってきたの?」


クジラは心臓をバクバクと鳴らしまくり、とても美しいリーシャに襲いかかりたい衝動に駆られるが、何とか欲望は心の中だけに留まらせ、ポーカーフェイスを保ちながら質問する。


「えへへっ、ここに連れてきてもらったメスのお猿さんが持って来てくれたんだ!あれっ?あのお猿さん、どこに行ったんだろ...?まぁいいや。それで、ちょっとびっくりしたけど、ドレスって着た事無かったから、勇気出して着てみたんだよ?」


リーシャはクルッとその場でひと回転して、ドレスをクジラに披露した後、猿がドレスを持ってきてくれたと話す。

おそらくは、この村が廃村になる前に暮らしていた住民の中に金持ち、もしくは服屋、仕立て屋がいたのではないかと思われる。


「へぇ〜、そうだったのか。というか、元住人はなんでこんな高そうなドレスを村から出て行く時に置いて行ったんだろうね?普通、高そうな物は優先して持っていかない?」


今更なのだが、何故この村に住んでいた住民達は、家具や衣類をそのままにして村から出て行ったのだろうか?

クジラはその事が気がかりで、口に出しながら首をかしげる。


「きっと、持ちきれなかったとか、このドレスよりも大切な物が沢山あったとか、そういう理由じゃないかなぁ?私は、別に考える程の深い理由は無いと思うよ?」


リーシャは、そんな事自分達が考える必要は無いと思いながら、クジラにそんな事どうでもいいじゃんというような言葉をかける。


「まぁ、2年位前に廃村になったって言ってたっけ...。本当に必要な物だったら、普通は後々取りに戻るはずだよね?」


「そうそう!だから、貰っちゃっても大丈夫だよね?」


リーシャは、このドレスがとても気に入ったみたいだ。キラキラとした目でクジラに貰っちゃってもいいよね?と、聞く。


「ま、まぁ...、多分いいとは思うけど...。後で雪猿に聞いてみよっか」


クジラは、気品があり何処か神聖な雰囲気が漂うリーシャのお言葉に、ドキッとしながら返答を返した。


「えへへ、やったぁ!それじゃあ、貰えたらこれを着て旅をしようかなぁ?」


服について雪猿に聞いてみようと返答され、リーシャは嬉しそうにぴょこぴょこと跳ねながらこれを着て旅をしようかなと提案する。


「ダメ、そんな服着てたら超大金持ちか何かだと勘違いされて悪い人に目を付けられちゃうかもしれないでしょ?」


だが、クジラはそれを絶対に許さない。避けれるトラブルは最大限に避けれるようにしたいものだ。


「むぅ、それじゃあ貰ったとして、このドレスは持って歩くの?かさばるよ?」


リーシャは、難しい表情を浮かべながら、貰ったとしてもドレスは持ち歩くか尋ねる。


「朝イチでヨシノに会いに行って、部屋にしまっといて貰おうかな?それか、ランドに渡すっていう手段もあるね」


「えー...、ラン君は確実に、そのドレスでいやらしい事を考えたりする変態だからやだ。ヨシノなら信用出来るし、ヨシノに渡してもらえるかな?」


リーシャはいつも通り、ランドにサラッと毒を吐きながら拒否して、ヨシノに渡して欲しいと伝えた。


「あはは、本当にランドは信用されてないんだな。うん、わかったよ。それじゃ、もしも貰えたらヨシノに渡す事にするよ」


クジラは、ランドの扱いに笑った後、ヨシノに渡す事を約束する。


「えへへっ。それじゃあそろそろお家に戻る?」


「そうだね...。って、あれ?そういえばリーシャ、歩けるの?旅館までにリオの足跡しかなかったから、歩けないものだと思ってたんだけど...」


クジラは、つい先ほどまで自然に会話していた事で忘れていたのだが、リーシャはリオに運んでもらわなければいけない程に酔いでフラフラしていたはずなのだ。

何故か、ごく普通に立っているリーシャにその事を聞く。


「ふふん、温泉に浸かってたら少しだけ回復したみたい!でも、たまによろけるから大事をとってクジラにおぶってもらおうかなぁ?」


リーシャはそう言いながら、持ち前の運動神経を駆使してピョンと飛び跳ね、クジラの背中にしがみついておぶってもらう。


「おっとと...、ドレスのせいで重く感じて驚いたよ。まぁ、本当ならば運搬はリオに任せたい所だけど、今日だけは特別だからね?」


クジラは、リーシャが飛び乗ってきた勢いで多少よろけるが、なんとか真っ直ぐ立ち直し、今日だけは特別だと言ってしっかりとおぶった。

クジラは、特別な雰囲気を纏うリーシャの言葉は何故か拒否出来ず、ホイホイと言いなりになっているのだった。





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