死闘、敗北。
102話になります!!
本日2回目の投稿ですね。
それではどうぞ!!
「ヤヨイ!こっちに向かって来たよ!?ってあれは人...だよね?」
「そんな事行ってる場合じゃないわよ!武器構えて明らかに敵意むき出しじゃないの!?怯んじゃだめよ!!」
2人の女性は、クジラの馴染みのある名前で呼び合い、武器を構える。
クジラも2人の会話が、頑張れば聞き取れる距離まで接近していたおかげで、完全にとは言わないが、2人の女性がリーシャとヤヨイという確証が付いた。
「...ふっ!」
ブウン!!
クジラは、肺の中の空気を吐き出すと共に、先ほど具現化した一本の武器を振る。
「危なっ!?」
「効かないわよそんなの!」
2人はサッとクジラの攻撃をよける。
その武器は、殺傷能力の無いただの木のバットである。
「(昔になんかの戦闘ゲームやった時からバットで戦闘するの興味あったんだよねぇ...。)」
どうやらクジラは、2人に対して舐めプをかましているようである。
クジラがそんな事を思って過去に懐かしんでいると、ヤヨイとリーシャが仕掛けてくる。
「リーシャ!わたしが支援するから重いの一発入れるのよ!!」
「わかった!任せてヤヨイ!」
10本の青い光を帯びた投げナイフが変幻自在に宙を舞う。
クジラは、神速を用いてそれを一本ずつ撃ち落としていく。
「なっ!?わたしのナイフが全部落とされた!?」
「くらえぇ!!」
お次に後ろに回っていたリーシャが太刀で切りかかる。
ガッ
バットを両手で横に構え、太刀を受け止める。
おまけに太刀はバットに刺さり、クジラがリーシャを振り払う。
何故、木製のバットが真っ二つにならないかというのは、具現化魔法で作り出した物だからお察しというところだ。
それにより、バットに刺さった太刀を引き抜けず、リーシャは丸腰になる。
クジラは太刀を引き抜き二刀流になる。
「あっ!私の剣が...。うぅ、返せぇ!!」
リーシャは軽く涙目になりながら一応持たされていたナイフを片手に突っ込んでくる
「(うわぁ、罪悪感...)」
クジラはリーシャのナイフをバットでなぎ払い、怯んだスキに太刀の柄で後頭部を軽く殴り気絶させた。
「...っ?
リーシャ!?あんたよくもやったわね!?絶対に殺すわよ!?」
ヤヨイは、少しの間と共に叫び、右手の拳を拳を軽く握り、左手は後ろに隠して構えた。
「(ん?左手に何か持ってない?)」
クジラはヤヨイの不自然な構えに疑問を抱いた。
その時だった。
ピロリロピロリロン♪
ピロリロピロリロン♪
クジラのズボンポケットから、振動と共に軽快な電子音が流れる。
「あちゃ〜...。まさか僕に連絡するとは思わなかった...」
そういってクジラはフードを外す。
「やっぱりね。なんでトドメを刺さずに気絶させたのか、不可解だったのよ。それと大体の背丈ね。もしかしたらと思ったら当たってたわ」
ヤヨイが腕を組みながらドヤ顔で言い放つ。
クジラはやれやれと首を振り、両手を挙げて
まいったよ。
と言う。
「うーん、やっぱヤヨイの方が何枚もうわてのようだね。とりあえず、この行動を起こした理由を話すから、この階層から離れようか」
クジラは、「よいしょ」という声と共にリーシャを背負う。
「はぁ、わかったわ。しっかりと答えるのよ?」
「わかってるよ。それじゃ、この歪みに入ってね」
ブゥゥゥゥン
「うるさっ!?...へぇ、あんたも空間移動出来るようになったのね?」
「まぁね。それじゃいくよ」
そういって、クジラとヤヨイは空間の歪みに入り、空間移動をして迷宮管理層へと場所を移動した。




