トラブル発生!犯人は誰!?
101話になります!!
本日1回目の投稿です。
それではどうぞ!!
「アーッ!やべぇ!!大事なこと忘れてた!」
「えっ!?なに!どうしたのヴァーチュ!?」
時間は結構過ぎ現在2時、2人は適当な雑談をしていると、ヴァーチュが突然叫び、クジラはそれにびっくりしている。
「わりぃクジラ!30分ほど出るわ!今日発注してた武器取り行く日だった!!」
「そうなんだ。いいよ、僕に任せなよ!」
クジラは早速迷宮管理の仕事に慣れたようで、ヴァーチュに行ってきて構わないと伝える。
「本当悪いな!行きつけの武器屋の店主は、期限通りに取りこないとうっせぇんだわ!ほんと申し訳ないがちょっとの間頼むな!」
「うん、気をつけてね!」
「おう!行ってくるわ!」
2人は簡単な会話をした後、ヴァーチュが姿を消した。
「...まさかだけど、仕事前に行くはずだったのに僕のせいで、予定をすっぽかしたのかな...?そうだったら本当申し訳ないや...」
クジラは、適当に見えているが実際は、かなり人の事を考えることができるヴァーチュに対して、申し訳なさそうな顔をしながらつぶやいた。
ブー!ブー!ブー!ブー!
大音量でブザーがなり、部屋がうっすらと赤くなる。
「何!?ヴァーチュが出たばっかなのにトラブル!?ふざけるなよ!?」
クジラは突然のブザーの音と部屋の変化に着いていけず、軽くキレ気味である。
《現在、26層にて魔物が激減しています。直ちに対処をお願いします。場合により探索者との戦闘も視野に入れてください》
《現在、26層にて魔物が激減しています。直ちに対処をお願いします。場合により探索者との戦闘も視野に入れてください》
《現在、26層にて魔物が激減しています。直ちに対処をお願いします。場合により探索者との戦闘も視野に入れてください》
先ほどまでとは違い、同じ階層の警告が何度も流れている。
それほどに危機的な状況なのだろう。
迷宮を管理、なおかつ探索者を守るはずの仕事なのに、探索者と戦闘しても構わないという趣旨の警告が飛び交っている。
「仕方が無い!急いで26層に!!その前に、何かあった時の保険の為に顔を隠さなきゃ!!!」
ポンッ!
クジラは咄嗟に、紺色でフード付き、そして薄手のジッパーパーカーを具現化して羽織り、ジッパーを全部閉め、フードを深くかぶった。
クジラはパニックと焦りにより、最悪の事態を想定し、探索者を殺る気になっているようだ。
ブゥゥゥゥン
「あぁ!うるさい!!早く26層に行け!!」
クジラは殆どパニック状態になっており、彼自身の魔法の音に対して苛立っている。
普段とても温厚な彼がここまで怒っているのも、恐らくこちらの世界では初めてであろう。
シュウン!
瞬間的に空間移動したクジラは、直ちに交戦中の探索者の気配を察知し、神速を用いて向かった。
「お前らストォォォォォップ!!やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ポンッ!!
シュパァ!
ドォォォォォォォォン!!
クジラは、槍を具現化し走っている勢いに乗せ投げる。
クジラにもまだ自制心があったようで、槍は相手に当たる寸前に小爆発を起こし消滅する。
とりあえずの威嚇攻撃みたいな物であった。
「きゃあ!!なによ!?新手の魔物かしら!?」
「でも明らかに威力が桁違いだよ!?」
「知らないわよそんなもの!!早く構えなさい!死ぬわよ!?」
「うっ、うん!わかったよ!!」
探索者は声的に女性2人のようだった。
その女性2人はそれぞれ、黒と白のフードの付いたコートを羽織り、どちらもフードを被っていた。
しかしクジラは、女性2人との距離が遠い事により、声もあまり聞こえず、性別の判別も出来ていないようだった。
しかし、武器を構えた探索者2人をみて、クジラはある疑問を覚えていた。
「ん?太刀に浮いた投げナイフ?いや、まさか...。でもあのコートにも見覚えが...。」
クジラの頭のなかは一気に冷め、冷静になる。
「まぁ、これ以上魔物を殲滅させられるよりはましかな?ここは姿を明かさず戦う事にしよう。
バレたらいけないから具現化魔法は禁止、瘴気の土魔法もアウトかな?
魔王術と神速。
それと、この距離なら武器を具現化しても音は聞こえないし、具現化魔法だとわからないだろう。一つだけ武器を出して行こう。」
ポンッ!
そういって、クジラは直感的にある武器を作り出した。
「よし、準備完了。僕の勝利条件は、2人を気絶させて管理層に持ち帰る。かな?」
そう呟き、クジラは戦闘態勢を取る。
「戦闘開始だ!!」
そう叫んで、クジラは神速を使い、低空姿勢で向かって行った。




