新たな幕開け!?
89話になります!
本日2回目の投稿になります!
それではどうぞ!!
「は?魔王!?僕がぁ!?」
「あぁ!会ったばかりだが、お前さんならきっと引きつけてくれると思ったんだ!あと飯が美味かったから!この通りだ!頼む!」
魔法(笑)は、手のひらをパン!と音を鳴らしてくっつけ軽く頭を下げる。
「魔王って例えばどんな事をやるか聞いてもいいかな?」
クジラは、仕方がなく話を聞くことにした。
「おぉ!!引き受けてくれるのか!?」
「えぇ!?クジラ引き受けちゃうの!?」
「いや、まず話聞かせてよ!?」
魔王(笑)が強引に進め、リーシャがそれを肯定し、クジラがツッコムという流れができた。
「ありがとな!これで邪神のおっさんにガミガミ言われないで済むぜ!」
「一方的過ぎる...」
クジラは半分諦めて呟いた。
「別に極悪非道な事とかはしないぜ?まぁ好き好んでやるバカなジジイ魔王もいるけどな。」
「へー、そうなんだ。ていうか魔王って、そんな簡単になれるものなの?」
「魔王ってのはな、現魔王に推薦されればそれだけでなれるぜ!
俺も丁度、こないだ邪神のおっさんに、
そろそろお前も自分でスカウトした魔王の後輩とかいてもいいんじゃないか?
ってドヤされたから、ナイスタイミングだったぞ!」
「クジラが魔王かぁ...。ぷっ」
「魔王のなり方随分適当じゃないそれ...?それに何か笑われたし...。
ちなみに魔王って具体的にどんな仕事?」
クジラは、悪い事はしなくていいと聞いて、多少乗り気になってきたのか、質問をしていく。
「んーとだな...、俺が引き受けてる仕事はだな...、大雑把に言うと、迷宮で魔物が急激に増加、減少しないようにする為の管理と、人間と亜人...まぁ、思考がある魔族だな。それが両生できる世界作りだ!」
「え?君、本当に魔王?」
「魔王が悪なんてもう古いぞ!悪を意識してる魔王っていうのは、魔王理事会から見放された頭の固いクソジジイで、ただ魔王と名乗ってるだけの魔族だからな!?」
この世界は、魔族と人間の争いなどは昔に終わっているようで、殆どの魔族、人族は一緒の街に暮らし、同じ職場にいて、異種族結婚も国が快諾している程の仲のようだ。
少し前までは魔族差別などもあったようだが、それも過去の話で、現在そのような事をする人間などは、年老いた悪どい老人くらいしかいないらしい。
「なるほど、魔王ってのも案外いいかも知れないね」
「私も、魔王ってただ悪い事する魔族かと思ってたよ。というより人間でもなれる事を初めて知ったかな」
クジラとリーシャは、思い思いの事を言った。
「そうだろ!?初めは結構忙しいかもしれんがやり甲斐のある楽しい仕事だと俺は思うぞ!!だから引き受けてくれるよな!?」
「(クジラ屋は朝おにぎりを作れば2人が続けてくれるだろうから受けてみようかな...?)」
「魔王の基本は俺が手取り足取り教えてやっから!マジで頼むぜ!」
「クジラ、クジラ屋の事は私とヤヨイに任せて!商品さえ作ってくれれば続けるよ!」
魔王(笑)とリーシャが、魔王になるよう勧める。
ちなみにリーシャが何故そんな魔王を推し始めたかはクジラも良くわかってなかった。
「そこまで言われたら断りづらいな...。わかったよ、引き受ける」
「ヒャッホウ!!!やったぜ!!よろしく頼むぜクジラァ!!!」
「ああ、よろしく。ちなみに君の名前は?」
「あ、すまなかったな!自己紹介忘れてたぜ!俺はヴァーチュだ!よろしく頼むぜ!」
ヴァーチュ。
善という意味だ。
もしもこれで悪の魔王であったら本当に魔王(笑)であろう。
いや、そもそも闇魔法らしきものを使って会いにきてるわけだから魔王(笑)でもいいかも知れない。
「ヴァーチュか。改めてよろしく」
「おうよ!!」
クジラは手を差し出し、ヴァーチュはそれに応じて握手をした。
唐突な成り行きにより、魔王になる事になってしまったようだ。
これが、魔王クジラの始まりだった。
「ふぁ〜、良く寝た。...って何?どんな状況?」
丁度目を覚ましたヤヨイは、何が何だかわからない顔をしていた。




