(笑)
88話です!
本日1回目の投稿です。
安全圏内の壁から黒い渦が出現し、禍々しいオーラを纏った人間が現れた。
「「 」」
2人は、突然の謎の人物の登場に声が出ない様子で驚いていた。
「珍しい時期に、半端な低階層をハイスピードで攻略してんの見つけちゃったから来てみたわ。お前ら、せっかく結構な強さ持ってんのに、なんでこんなとこいるの?」
謎の人物は、まるで友達と話すかのような軽い口調で話しかけてくる。
「「 」」
「ん?どした?」
2人は突然の出来事にただ口をパクパクする事しか出来なかった。
「あぁ、こんな登場したから驚いてんのか?悪いな、職業の関係でこんな出方しか出来ねーんだわ」
「そ、そうですか。ちなみにその職業とは?」
クジラは、恐る恐ると言った感じに質問した。
「俺の職業か?よく聞いてくれたな!言わせてもらうぜ。
俺はこの迷宮の主!言うのならこのダンジョンに居つく魔王だ!」
「えぇ...?(なんかすっごいあぶない人と遭遇してしまった...)」
「話戻すが、見る限りお前ら60層くらいなら余裕で完封できそうだが、どうしてこんなとこいるんだ?」
謎の人物(自称魔王、以降魔王(笑) )は、腕を組みながら聞いた。
「あー...、実は僕たち今日が初の迷宮なんですよ。それで1から順に登って行こうと目標立てまして」
「ほぉ、そうだったか。今日が初めてかー。なら、そんなんでも仕方ねぇか!...ってか、お前ら美味そうなもん食ってんな?」
クジラの話に納得した魔王(笑)は、2人が食べていたサンドイッチを見てボソッと呟いた。
「あぁ、食べます?ほんとは寝てる子の分だけど、別にいくらでもあるし」
クジラは、多少砕けた敬語で聞いた。
「マジで!?食う食う!!
ハグッ、むぐむぐ...。うっめぇ!!!これはここら辺の食いもんじゃねぇな?ここらでは、こんな美味いもの出回らないからな。それと敬語なんか使わなくていいからな!」
「そう?わかったよ。敬語はやめることにするよ」
どうやら、魔王(笑)の口にもあったようだった。
ついでにタメ口で構わないと許可が出た。
「ところで、ここの迷宮の主とか言ってたけど、それについて教えてくれないかな?」
「あぁ、そのままだ。俺は、この迷宮の最下層のフロアボスって事だぜ。まぁ、迷宮は無限に階層増えるし、最下層は特殊で普通は辿り着けない様になってるから、闘う事は100%ないけどな!」
どうやら本当にこの男はこの迷宮の魔王をやっているようだ。
ついでに迷宮の裏事情も地味に獲得したようだ。
裏事情
・迷宮は、無限に階層が増えていく。
・最下層は特殊なので、基本辿り着けない。
クジラはこの事を聞いて迷宮攻略に対してのやる気が多少薄れたようだ。
逆にリーシャは無限に上の階層進めるのかぁ...、とか言ってやる気が高ぶっている。
「ところで、人間...、だよね?」
クジラは思った事を率直に述べる。
「いや、違うぜ?俺は魔族だ。まぁ同族からは変わり者呼ばわりされてるがな!わっはっはっは!ガブッ!もぐもぐ。ごくんっ!あぁ!本当これ美味いな!」
魔王(笑)は1人で騒ぎ、1人で盛り上がり始めた。
「よし、決めたぜ!お前ら!名前はなんて言うんだ?」
魔王(笑)は、クジラとリーシャへ、名前を聞いた。
「僕はクジラ。こっちは...」
「リーシャだよ!で、あっちで寝てるのがヤヨイ!」
「クジラにリーシャにヤヨイな。
それで、クジラ!ここで会ったのも何かの縁だ!お前さんを時期魔王に推薦してやる!!俺って人望無いからかなり焦ってたんだよなぁ♪」
魔王(笑)は、クジラを次期魔王に推薦すると言い始めた。
理由は、人望が無いせいで知り合いがあまりいなかっただけなようだ。
その発言を聞いたクジラは...
「は?魔王!?僕がぁ!?」
相当驚いていた。




