フラグ
87話になります!
本日1回目の投稿です。
それではどうぞ!
「ふぁぁ、やっと第7層だね」
クジラは、眠そうに大きなあくびをして、壁に寄りかかってズルズルと、地面に座り込む。
「2人が言ったとおり6層から迷宮が本格化してきてるね...」
リーシャも少しお疲れの様子だ。
「まぁ良い運動になっていいじゃない。リーシャ、あんた何もしないでクジラの料理食べ続けたら、いつかはブクブクと太るわよ?」
ヤヨイは、短めだが、しっかりと手入れされている自分の髪をいじりながらリーシャをからかう。
「べっ、別に私太らない体質だから大丈夫だもん!!」
リーシャは、顔を青くしながら反論した。
「ふふふ、リーシャがいつ太るのか予想するのが楽しいわね...」
ヤヨイは明らかに悪いことを考えている顔をしている。
「クジラァァ!ヤヨイがいじめるぅ!」
リーシャは、クジラへ助けを求めた。
「大丈夫だよリーシャ。食べたらその分迷宮でいっぱい動けば太らないよ」
クジラは、リーシャへ遠回しに運動しろ、と宣言をした。
「うぅ、クジラも私が運動サボれば太ると思うんだ?」
「あははは...。僕ちょっと仮眠とらせてもらうよ」
苦笑いしつつクジラは横になった。
「笑ってごまかされた!?」
リーシャもリーシャで、良いツッコミを披露していた。
「わたしも流石に疲れたから少し横になるわ」
そういってヤヨイも仮眠し始めた。
そして、休憩し始めてから約30分が経過した。
「ふぁぁ、んーっ...多少疲れも取れたかな」
クジラはムクりと起き上がり、大きく伸びをした。
ぐぅ〜〜きゅるるるる〜♪
何処かからとてもリズム感のある音が流れた。
バッ!
リーシャはとても大げさな動作をして、お腹を抑える。
「あっ、もう1時か。そりゃあお腹も減るよね...」
クジラは、うんうんと同情するように首を縦に振りながらそういった。
「ちょっ///
お腹なった時にそういう風に同情されるのが1番恥ずかしいんだよ!?」
リーシャは顔を真っ赤にして反論した。
「あはは...。まぁ、何か作るよ。あれ、ヤヨイは...、寝てるのか」
クジラは、ヤヨイが喋らないのでどうしたか聞くと、どうやら睡眠を取っていたみたいだ。
「まぁギリギリまで起こさないようにしようか」
「うん、そうだね」
「(ここじゃマトモに食事は出来ないし、サンドイッチでいいかな)」
ポンッ!
バスケットが具現化される。
中には沢山のサンドイッチが入っているようだ。
「わぁ!パンにいろんな食べ物がはさまってて、美味しそうだね!」
「それじゃあ食べようか。ヤヨイの分として5、6個残すんだよ?」
「うん!いただきます!」
2人は、サンドイッチをつまみ始めた。
そこでクジラがある話題を出す。
「ふぅ、それにしても安全圏内みたいに、毎層休憩できる場所があって良かったね。絶対に敵に遭遇しない所があるのは、本当にありがたい事だね」
フラグだった。
ドシュウウウウ
クジラがその話題を口にした瞬間、安全圏内の壁から黒い渦が出現し、禍々しいオーラを纏った人間が現れた。




