投げやり?多少の強化
85話になります!
本日2回目の投稿です。
リーシャのスパルタトレーニングも、第6階層最奥地へ辿り着くと終了したようだ。
「ふぅ、4層ほど長くはなかったけど、それでも結構歩いたね」
リーシャは、指導をやり終えた!という満足げな顔をしながら語りかけた。
「そっか...。僕にとってはこの上なく長い長い階層だったよ...」
クジラは、明らかに疲れきった感じでボソッと呟いた。
「クジラ...。あんた大丈夫?」
「あぁ...大丈夫大丈夫...、あはっ、あははははは...」
クジラは、現在彼の出来た精一杯の笑顔を2人へ向けた。
「ちょっとやりすぎちゃったかな...」
それをみてリーシャは、
そんな厳しかったかなぁ...?
とか、呟いていた。
「僕はまだ大丈夫だよ。まぁ、出来れば7層安全圏内では多めに休みが欲しいかな...」
クジラは、疲れ目ながら、しっかりとした視線で2人へフロアボスとの戦闘を参加する意思を見せる。
「そう?でも少し安心出来ないから、クジラは今回は後ろでサポートだけだよ?」
「そうね。前衛はわたしとリーシャの2人に任せて。あんたは後ろでダラダラと銃撃ってるといいわ」
「うん、わかった。ありがとう2人共。お言葉に甘えさせてもらうよ」
クジラは快く承諾した。
そして、作戦についてヤヨイが切り出す。
「ここからみる限り、第6層のフロアボスは、石で出来た人形...よね?」
ヤヨイも魔物についてわかっておらず、疑問形で話を進める。
「あれはゴーレムだね。私も見るのは初めてだよ」
リーシャがすかさず補足を入れる。
「あっ!あれがあの有名なゴーレムなのね!ならとても硬いんでしょうね」
ヤヨイは納得したように相槌を打って返事をした。
この世界ではゴーレムは有名なようである。
「とにかく、わたしとリーシャで対抗するから、クジラは遠くで銃を撃ってなさい!」
「ヤヨイ、ゴリ押しで行くの?」
リーシャは、ヤヨイの単純な指示に疑問を持ち、物理で攻めるのか質問する。
「えぇ、そもそもわたし達にぶつけ以外の手段は...あっ、リーシャ、あんた魔法使えるのよね?」
「でも攻撃魔法は火だけだよ?」
「あっ...そうだったわね...。ゴーレムは水魔法がよく効くらしいけど...」
ヤヨイは顎に拳を当て、考える人のようなポーズをとる。
「(そろそろ助けてあげるかな?)」
クジラは手を差し伸べる事にした。
「ヤヨイ、そしたら君のナイフに水魔法と同じような能力を付与してあげるよ。そうすればいけるかな?」
「それだわ!その手があったじゃない!是非お願いするわ!」
そういってヤヨイは、霊力で自分の持ちナイフを全て空中へ浮かばせた。
「さて、雑魚敵が出ても困るからこれが終わったらすぐ最奥地踏み込むよ!(ナイフに水属性付与。それと、もっと切れ味を上げてやって欲しいな)」
ポポポポポポポポポポンッ!
急激なレベルアップとスキル振りにより、音の間隔が縮み、具現化の連続音が鳴り響く。
ナイフは、表面に青い光を帯びた。それと、若干反射する光の量が増えたみたいだ。
「できたよヤヨイ!さっそく作戦開始だ!!」
「「終わるのはやっ!?」」
ヤヨイとリーシャは具現化速度が早くなっていたのに気づき、同時に驚いた。
しかし、すぐに体制を立て直し、ゴーレムの元へと向かって行った。




