第5層、焦る2人
80話になります!!
「今回は短かったね。4層が特別長かっただけなのかな」
3人は、中継地点での休憩を終えて、5層攻略を始めていた。
しかし、リーシャの言うとおり、4層とは違ってすぐに、最奥地へ到着してしまったようだ。
「5層のフロアボスは、大トカゲか。皮膚が硬そうだね...。僕が銃で引き付けるから、しっかりと貫く事考えて、攻撃与えるように頼むよ」
「わかったよクジラ!それなら、ヤヨイは今回私達のサポートをよろしくね!」
「了解したわ。2人共気をつけるのよ?」
「ヤヨイ、心配ありがと。怪我しないよう気をつけるよ」
ヤヨイの心配の言葉を、クジラが受け答えする。
「よしっ!それじゃっ、注意引くからリーシャは、確実に攻撃入れるように頼むよ!」
「わかったよ!」
そういってクジラは、4層でヤヨイがやったように単独で、大トカゲの方へ駆けて行った。
ピシュ、ピシュ
ジュッ、ジュッ
レーザーの放たれる音と、放たれたレーザーが当たり、肉が焦げる音が聞こえる。
『グギャアアアア!!』
「ぐぅっ!?」
大トカゲは、凄まじい爆音の叫びを放ち、大トカゲの後ろから斬撃を放とうとしたリーシャが怯んでしまった。
大トカゲは、リーシャの悲鳴でリーシャが後ろにいた事に気づき、尻尾を大きく振ってリーシャを弾いた。
「きゃあっ!?」
リーシャは尻尾に弾き飛ばされ、3mほど後ろへ跳ね、尻餅をついた。
「大丈夫リーシャ!?くっ、こっちを向けぇぇぇ!!」
クジラは、リーシャが飛ばされたのを見て、一瞬慌てて心配したが、すぐに気を取り戻して、自分に注意を向けさせ始めた。
「ったく、たかが咆哮で気を抜いてんじゃないわよ!」
ヤヨイも、リーシャからトカゲを遠ざけるために、霊力でナイフを操って応戦し始めた。
「ヤヨイ!目だ!できる限り目を狙おう!!」
クジラは、リーシャが立て直す為に少しでも時間を稼ごうと、ヤヨイへ指示を飛ばす。
「目ね!わかったわ!!」
それにヤヨイも応じて、2人は目を潰す事を狙い始めた。
「なかなか当たらないわね!!」
「くっ!ちょこまか動くな!」
ヤヨイとクジラは、トカゲの攻撃を避けながら攻撃を加えていく。
トカゲの顔は、所々血の赤と焦げの黒で、染まってきている。
その時だった、
『ゴオオオオオオオオ!!』
大トカゲが、先ほどとは比べ物にならないような低い唸り声を発し、口から光を漏らしている。
「ヤヨイ!なんか来そうだよ!気をつけろ!!」
「わかってるわよ!回避に専念するわ!!」
2人は口元の漏れている光に気づき、声を掛け合った。
『ゴオオオオ...、』
トカゲの唸りが止まった。
クジラとヤヨイの2人は、身を備えて、攻撃を守る姿勢を取る。
しかし、トカゲは2人のいない場所を向いた。
そう、リーシャの居る場所だ。
「リーシャ、危ない!!」
クジラは必死に声を出し、リーシャの元へと走り出した。
「へっ?」
リーシャは、ちょうど大トカゲの斜め後ろの位置で、座り込む形になっていた事により、大トカゲの口元の光にも気づいていなかったようだ。
『ゴォォ!!』
大トカゲの口から、サッカーボール程の炎の玉が発射された。




