商売上手?
56話になります!
それではどうぞ!!
「いらっしゃいませー!!お、ダンディなオジ様ですね!どれをお買いになられますか!?」
「ダンディか...。ふっ、嬢ちゃんよくわかってるじゃねぇか。全種類1個ずつもらおう」
「毎度ありー!!オジ様は懐もダンディですね!?こちら商品になりまーす!またのお越しお待ちしてまーす!!」
現在、クジラとヤヨイが露店でおにぎりを販売し、リーシャが客の整列などを担当しているようだ。
「(ヤヨイって商売の才能か何かあるのかな...?)」
クジラはこんな事を思っていた。
何故なら、ヤヨイが売り子を始めてから1人につきの売上数が伸びたからだ。
ヤヨイがおだてて、それに乗って調子付いた客が多めに買っていく。それからその連鎖である。
「うーん、この調子じゃ、1種類150個作ったけどすぐに終わりそうだね...。」
案の定クジラの思った通りに、2時間弱で売り切れてしまった。
「皆さーん!!今日の分は完売しましたよー!!買えなかった人はまた来てねー!!」
ヤヨイが軽い口調で叫ぶ。
「ヤヨイ、丁寧語使おうね?」
「いやぁ、なんか慣れてきたら普通の口調でもいいかなー?なんて思ったのよ」
「うーん...。ヤヨイの話術?のお陰で、販売速度上がったってのもあるけど、一応気持ち程度には使おうね?」
「は〜い。わかりましたよ〜」
ヤヨイは、適当に返事を返す。
「クジラー、ヤヨイー、後片付け手伝おうか?」
列の整列を終えたリーシャが、クジラとヤヨイの元へと帰ってくる。
「それじゃあ、ヤヨイと一緒にカゴ片付けて、今日の売上の硬貨を袋に詰めといてくれる?僕は屋台の固定具はずすから」
「わかったよー、クジラ」
「ふふーん、わたしに掛かればそんなの一瞬で終わるよ」
ヤヨイがそう発言すると、カゴは一つに重ねられ、硬貨は袋の中に吸い込まれるように入っていった。
「へぇ、これは魔法なのかな?」
「すごいね!でも魔力を感じなかったけど...」
クジラとリーシャは、口々に質問をする。
「これは霊力よ。今のは簡単に言うポルターガイスト」
「成る程、浮く事は出来なくなったけど、霊力を使って物を動かす事はまだまだ出来るって事だね?」
「まぁ、そんな感じかしらねぇ」
ヤヨイはふふん。と自慢気に胸を張った。
「ヤヨイのお陰で、後片付けもすぐ終わったし、まだ3時過ぎだし、これからどうしようか?」
「そうだねぇ、私は特にやりたい事もないかなぁ...。ヤヨイは何かある?」
「うーん、そしたらこの街ぶらぶら歩いて見たいかなー。私、あの家から外に出回った事無いのよ」
「えっ、ヤヨイってあの家で亡くなったりして、地縛霊的なのになったとかじゃないの?」
ヤヨイの発言が気になり、クジラは質問をする。
「そんなことないわよ。気が付いたらあの家にいた。それで行く場所も無かったから住み着いてた。それだけよ」
「そうだったんだ...。それじゃ、一回家戻って屋台とかを置いてから、街を歩こう。」
「こないだは服屋と雑貨屋しか行かなかったし、違う場所も行ってみたいね!」
「ふふ、楽しみね」
3人は、家へと歩いた。
そして屋台を置き、街をぶらぶらと回る事にした。
「さて、それじゃあ、何処に行こうか?」
クジラは地図を見ながら2人へ聞く。
「なんか食べ物売ってる所は?」
「うーん、夜ご飯を、家を買ったお祝いとかを兼ねて、豪華にしようと思ってるから控えた方がいいんじゃない?」
「そうなの!?うん、それじゃ食べ物屋は却下だね!」
「へえ、クジラって料理を作れるのね?」
「まぁ、一応...ね?」
「なんか微妙な返事ね?」
「それは...、料理法みればわかるよ」
「そうなの?それじゃあ夜は楽しみにしてるわよ?」
「あっ、2人とも!あのお店入ってみようよ!?」
リーシャは、家からすぐそばにあるお店を指差した。
「そうだね、まずはそこに行こうか、」
そこから3人は、家の近くの店から順に入っていき、充分に楽しめたようだった。




