やったね!新店員だよ!
55話になります!
それではどうぞ!!
カランコロン
「はい、いらっしゃい!ってクジラ君かい?昨日は夕食食べこなかったけどなんかあったかい?」
「実は昨日は2人揃って朝まで寝ちゃいまして...」
「あっはははは!そんな事だったのかい!それでリーシャちゃんいないけどそれはどうしたんだい?」
「はい、実は家を購入しまして、リーシャは家の方で片付けをしています」
「へぇ、すごいじゃないの!それじゃあ今日は宿泊キャンセルと荷物を持ってく為に来たんだね?」
「はい、その通りです」
「そしたら5泊で1万モール払って、3泊したから...4千モールだね」
おばちゃんは受付から千モール硬貨を4枚出し、クジラへ手渡した。
「ありがとうごさいます。それでは荷物纏めてきます」
「はいよ、リーシャちゃんとは仲良くやるんだよ。泣かせたらおばちゃんが怒りいくからね!」
「はい、わかりました。絶対にリーシャを泣かせないよう頑張りますよ!」
「うん、その意気だよ!それじゃ、これから仕事もするんだろう?早く荷物纏めて行くといいよ。鍵は受付置いとけばいいからね」
「はい、ありがとうございました。」
それからクジラは部屋に行き、トランクを具現化して荷物を纏め、家へと帰って行った。
「ただいまー」
『おかえり〜』
「あ、おかえりクジラ!」
クジラが家へ帰ると、間延びしてだらけたヤヨイの声と、丁度玄関前の廊下にいたリーシャが出迎えた。
「早速で悪いんだけど、ちょっといいかな?」
そして、リーシャがニコニコとしながらクジラへ話を切り出した。
「ん?どうしたんだいリーシャ?」
「実は、ヤヨイにクジラ屋で働くの手伝わないかって聞いたら、OKが出たよ!」
『わたしも暇だからね〜、それと、働く代わりに実体化させてくれるってリーシャから聞いたわよ?』
リビングからふわふわと浮いて、ヤヨイも玄関へ出てきた。
「おぉう、話が早いですね。僕が切り出そうかと思ってたけど、話が省けたからいいや」
『でもどうやって私の体を実体化するの?』
「ちょっと待ってね。(幽霊を実体化できる護符!もしくはそれに等しい持ち運びやすい物!)」
ポンッ!
クジラは、白いチェーンに所々黒い模様があるだけのネックレスを具現化させた。
「(うわぁ、なんか色々とイメージが混ざったなぁ...。まあ効果は発揮されるはず)」
「クジラ、なんか、凄い独特なネックレスだね。それ」
「う、うん。でも効果はしっかりとあるはずだから...。ヤヨイ、これをつけてみて」
クジラはヤヨイにまだら模様のネックレスを渡した。
『見た目はあれだけど...。まぁ付けて見るわってきゃあ!!」
ヤヨイがネックレスを首に付けた瞬間、浮いていたヤヨイは地面に落ちた。
「痛たた...、何よこれ!浮けないわよ!?」
「クジラ、実体化出来てるの?」
「とりあえずお守り置いてみようか」
「そうだね。そうすればわかるね」
クジラとリーシャは、ヤヨイを見る為に持っていたお守りを床に置いた。
「あっ、成功だ。良かったよ」
「やったねヤヨイ!実体化してるよ!」
「え?本当に!?やったぁぁぁ!!クジラ!ダサいネックレスとか言って悪かったわ!こんな素敵ネックレスどこにもないわよ!」
「あはは、喜んでくれて何よりだよ」
「これでヤヨイもクジラ屋で働けるね!って、そろそろ準備しなきゃいけない時間じゃない?」
リーシャに言われ、クジラは時間を確認する。
「あっ、もうそんな時間か。それじゃあ僕は、おにぎり作り始めるからリーシャはヤヨイに仕事の大まかな事教えといてね」
「わかったよクジラ!さて、ヤヨイ!私が1人前のクジラ屋店員にしてあげるからね!」
「お、おう...」
リーシャの謎の気合に若干引いているヤヨイであった。
「夜はお祝いということですき焼きでも具現化するかな...。」
クジラもクジラで、今日の夕食のメニューを考えていた。
こうして、クジラ、リーシャ、ヤヨイの共同生活が始まった。




