日本人ですから!?
54話になります!
今回はクジラ君視点です!
それではどうぞ!!
ガチャ
「ヤヨイー!!ただいまー!!今日からよろしくねー!!」
僕が家のドアを開けると、リーシャが我先にと玄関へ入り、中にいるであろうヤヨイへ挨拶をする。
「ストップリーシャ!」
僕はリーシャを止めた。
止めた理由?そりゃあ腐っても日本人だからね。
「え?クジラどうかした?」
「...。」
ポンッ!
僕は無言で下駄箱を具現化させた。
「へ?」
「我が家のルールその1!靴は玄関で脱ごう!グッバイ床の土汚れ!」
「へっ?」
リーシャは、突然のストップと僕の言ってる事が理解できていない。
この世界は欧米の文化に近いようで、家の中も土足のようだ。
「リーシャ、出来るだけこの家を綺麗に使いたいと思わない?」
「え?うん...そりゃそう思うけど...?」
「なら、我が家は土足禁止にしよう。だから家に入ったら、この土間で靴を脱いで、今作った下駄箱に靴を入れるんだよ」
「えー、いちいち脱ぐの?」
「うん、そしたら掃除する箇所も少なくなるよ?総合的に考えたら脱いだ方が楽だと思うよ?」
「うむむ、わかった。靴は脱ぐよ」
「うん、それでよし」
勝った。
僕は今、多分勝ち誇った顔をしているんだろう。この勝利はそれ程の物だ。
地味だけどこれだけは日本人のプライドだからね!?
よしよし、リーシャもしっかり靴を脱いで、下駄箱に入れたみたいだね。
聞き分けが良くていい子だね。
僕の元の世界いたら、社会出てもやっていけるよ、多分。
なんか僕テンション高いかな?
やっぱ家を買えた事が嬉しくて、舞い上がってるみたいだね。
「クジラ?さっきから1人でニヤニヤしてるけど大丈夫?」
「あっ、ごめんね。家を買ったんだなって実感してきてちょっとね...」
「そっか、この家もう私達の物なんだよね...。」
「えっ!?どうしたの!?」
なんと、リーシャは泣き出してしまった。
え?え?どうしたどうした?
と、とりあえず落ち着かせよう!
「大丈夫かい?リーシャ、ほら、落ち着いて深呼吸でも...」
「ごめんね、なんか私も、嬉しくなって涙かでちゃった。私、クジラに着いてきて良かったよ。本当にありがとう」
ほっ、嬉し涙か...。びっくりしたよ。突然泣き始めちゃうんだから...。
それにしても、着いてきて良かった...か。
「リーシャ、僕はリーシャが一緒に着いてきてくれたから、ここまで来れたんだと思う。だから僕も、君には感謝してるよ」
「クジラ...」
やばい、なんか凄いドキドキしてる。ど、どうしよう
『あのぉ〜、いいムードのとこ悪いんだけど〜、ちょっといいかしら?』
「「あっ」」
あっ、ドキドキ治った。
『いやぁ〜、もうちょっと待とうかな〜とか思ったんだけど〜、わたしに待つ事はできなかったわ!』
あっはっはっは、と笑ながらヤヨイは姿を見せた。
畜生、一瞬好意を伝えようと思ったのに!
「ヤヨイ〜、雰囲気台無しだよ〜」
リーシャが僕の分まで代弁してくれた。
『これから一緒に住むんだから、こんな事いくらでもあるわよリーシャ!気にしない気にしない!』
なんかヤヨイって宿屋のおばちゃんに性格似てる気がするなぁ...
『クジラ、なんか嫌味考えてない?幽霊は敏感なのよ?』
「へっ!?い、いやぁ、ヤヨイさんお綺麗だなぁーとか思ってました!」
見透かされてる!?怖い!幽霊怖い!?
『ふぅ、まぁいいわ、今回は許してあげる』
「ヤヨイ!!クジラは渡さないからね!?」
リーシャさん...。なんか、色々と吹っ切れたね...。ちょっと鈍感気味な僕でも、これはわかるよ。
『ふふふ、しっかりとアピールしなきゃ、私に取られちゃうかもしれないわよぉ〜?』
ヤヨイとリーシャは、軽口を言い合っている。
やっぱ、女の子同士仲良くなるのが早いんだね。
あ、そうだ。一段楽したらヤヨイを実体化させる護符作ってあげよう。
きっと喜ぶだろうし。
それと宿屋に宿泊のキャンセルと荷物を取りにを行かなくちゃ...。
まぁいいや、10分ほどだしさっさと向かうか。
「それじゃあ僕は宿屋に宿泊キャンセル入れてくるから2人は仲良くね」
「うん、わかった」
『いってら〜』
54話でした!
家を買ったという事で、テンションが高いクジラ君とリーシャちゃんでしたね。
それでは次回にお会いしましょう!




