あの場所に
最終章55話になります!
本日は1話の投稿です!
それではどうぞ!
「2人っきりだね~。さっきまでは賑やかだったリビングが静かになっちゃって寂しいなって感じてたけど、今はクジラがこうして私を慰めてくれてるから、あまり寂しくないかなぁ?」
プラモとカーリーが去ったあと、リーシャはクジラにピッタリとくっ付きながら笑顔を浮かべ、2人きりだが寂しくはないと話す。
「本当?良かった、安心したよ。リーシャが落ち込んだりしてると、こっちまで気分が沈んじゃうからね。出来ればいつも、今みたいな笑顔を見せてくれると嬉しいな」
クジラは寂しくないと話すリーシャを見て心から安心しながら、いつも笑顔を浮かべていてくれと伝える。
「えへへへ、うんっ!クジラが私の事を好きって言ってくれれば、私はいつでも笑顔を浮かべてあげるよ!ほら、言って言って?」
「あはは、わかったよ。好きだよ。愛してるよリーシャ」
「えへへ~、知ってる!私も大好きだよ!クジラのこと、愛してる!」
チュッ
2人はもう何度目なのかわからない愛の告白を伝えあうと、満面の笑みのリーシャがクジラへとキスをした。
「……ねえねえクジラ、ちょっとお散歩しない?」
キスをして数秒間見つめ合うと、リーシャが散歩をしないかと切り出す。
「うん、もちろん構わないよ。家の周辺を適当に歩く?」
「ちょっとロマンチックな夜景を楽しみながらお散歩したいなぁ。という訳で、あなたが私にプロポーズをしてくれた場所に行こっ?」
クジラは快く頷き、家の周辺を回るのかと聞く。その問いに対して首を横に振ると、リーシャはある場所を指定した。
「空中都市リーンか。確かにあそこならば素敵な夜景を楽しめるもんね」
その場所は空中都市リーン。クジラがリーシャに紅い宝石が埋め込まれた婚約指輪を渡し、プロポーズをした場所である。今日結婚式を挙げた事もあり、なんとなく行きたいなと思ったのだろう。
「えへへ、なんならプロポーズの再現をしちゃおっか!……よし取れたっ!はい、一旦指輪を返すね?」
リーシャは思い付きでプロポーズの再現をしようと言うと、左手薬指の指輪を外してクジラに返した。
「もう一回プロポーズをするのって、なんか恥ずかしいな……」
「私もちょっとドキドキしてる!さっさと玄関で靴を履いて、空間移動でリーンに行こう?ちなみに、ロマンチックなプロポーズをしてくれないと何回もやり直しをさせるからね?」
「あはは……、なんて言って指輪をはめてやるか考えておかなくちゃな」
クジラはポリポリと頭を掻きながら苦笑した後、心の中で素敵なプロポーズの言葉を考えつつ、彼女と共に空中都市リーンへと向かうのだった。
次回、最終話です。




