最高なもので恩返しを
最終章50話になります!
本日1回目の投稿です!
それではどうぞ!
ガチャ
「あぁ〜……、死ねる。軽く死ねる。むっちゃ忙しかったんよ……」
トトリ7兄弟の下5人とクジラ、そしてクジラの親友の啓介と優梨の8人でゲーム大会をする事1時間弱。突如リビングの扉が開いたと思うと、フラフラとした様子のヨシノ、ヤヨイ、カーリー、それと全然余裕そうなプラモが部屋に入ってきた。
「あ、お疲れ様みんな!まさに疲労困憊って様子だね……。私達の結婚式の為にそんな必死になってくれて本当にありがとうね!ほら、紅茶淹れてあげるから空いてる椅子に座って?お菓子?それともケーキ?何が良い?クジラがなんでも具現化してくれるよ?」
リーシャはそんなげっそりした面々に労いの言葉を掛け、ササッと素早い動作で空いている椅子を引いて座れるようにしてやる。また、紅茶と付け合わせを出すと言って何が良いかと聞き始める。
「とびっきり甘い紅茶と同じく甘いチョコのケーキが良いんよ……」
「わたしは少し甘い紅茶と、そうねえ……、モンブランケーキが食べたいかしら?」
「私はヨシノと同じくらい甘いお紅茶と、ヤヨイお姉ちゃんと同じケーキが良いわ〜……」
『私はマスターと同じもので構わないぞ』
覇気の篭っていない気の抜ける声でリクエストを告げる3人と、平然そうな声でヨシノと同じものを注文するプラモ。
「はぁ〜い。激甘3杯とちょい甘1杯ね!それで、激甘なチョコケーキと普通なモンブランケーキを2つずつね!クジラ、紅茶は私がやるからケーキをよろしくね!」
「おっけー、感謝を込めて、普段の2割り増しの本気で最高品質のケーキを具現化するよ」
リーシャは3人プラス1体の要求に笑顔で応じると、ケーキの方の要求をクジラに任せる。彼は喜んでと言って頼みに応じると、仕事をしている時以上に真剣な表情でリクエストされたケーキの具現化を始めた。自分達の為にヘロヘロになっている彼女達に、出来る限りの恩返しをしたいのだろう。
「……ふう、完成。さあみんな、紅茶はまだみたいだけど、先にケーキを召し上がれ」
「うぉぉ。……いんや、その前に手洗いとか諸々してくるんよ。多分、終わって戻ってきた頃には紅茶も淹れ終わってんでしょ。さ、ヤヨイカーリープラモ、洗面所に行くんよ〜」
「うぅ〜、もう歩くの面倒くさいわ〜。ヤヨイお姉ちゃん、キツネの姿に変化して頭に乗るわね?」
「仕方がないわね。ほら、乗ると良いわ」
クジラは1分程かけてケーキを4つ具現化すると、ドヤ顔を浮かべて彼女達に差し出す。ヨシノは見た目からして極上品なそれを見てゴクリと喉を鳴らすが、紅茶と共に最高に美味しい状態で食べたいという気持ちによって、いますぐ食べる事はせずに立ち上がり、手洗いうがいをしに行くと告げた。カーリーはクタクタで歩くのさえダルいようで、キツネ姿になってヤヨイの頭に乗っかったりしながら、移動を開始した。
「ヨシノ達が手洗いうがいをしてる間に、クジラが作った最高に美味しいケーキに抜群に合う最高な紅茶を淹れてあげなくちゃ!頑張るぞー!!」
リーシャは彼女達の言葉を耳に挟むと、彼女達が帰ってくるまでに最高なものを仕上げると言って気合を入れ始める。約5分後には、至福といった様子でとろけそうな表情をするヨシノ達がいたのは言うまでもない。




