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具現化魔法で異世界乱舞  作者: 桃山
最終章
1983/2000

見逃した彼




最終章40話になります!


本日2回目の投稿です!


それではどうぞ!









「うわぁぁぁぁん!!クジラァ〜!」

「うわっ、リーシャ!?戻ってきたって事は負けちゃった?」


勇者達のバトルロワイアルよりも談笑に夢中になっていたクジラ一向の元に、涙目のリーシャが飛び込んできた。クジラは飛びついて来た彼女を受け止め、どうしたのかと聞く。ステージの方をチラ見すると、最強女勇者マールが1人ステージの上で仁王立ちしながら高笑いをしていた。リーシャは順調に勝ち残り続けたが、最終的にマールに敗北したのだろう。


「ま、まさか私の勇姿を見てなかったの!?頑張ったねって褒めてもらおうと真っ先にクジラの元に駆け付けたのにぃ!!」


発言的に、自分が必死に戦闘している所をクジラは見ていなかったと理解したリーシャは、こいつありえない!といった表情を浮かべながらポカポカとクジラを叩いた。


「痛い痛い!ごめんね!本当にごめんねリーシャ!啓介達の話を聞いてたら、うっかりそっちのバトルロワイアルを見るのを忘れてたんだよ!」


クジラはリーシャの威力高めなポカポカ攻撃を受け止めると、全力で謝ると共に彼女達の戦いを観戦していなかった理由を伝える。啓介と優梨が口にする話が結構面白かったようで、一緒になって聞いたり口を突っ込んだりしていたらしい。


「むぅ〜……」

「お、おい諒。お前の嫁さんが恨みたっぷりこめた目で俺達を睨んでて怖いぞ!」

「割と本気でごめんねリーシャちゃん?つい話に夢中になっちゃって……」


リーシャがちょっぴり涙目で唸りながら啓介と優梨を睨むと、その睨みにビビる啓介と慌てて謝り出す優梨。


「ふんっ、いくら優しい私でも、今回ばかりは少し怒ったもんね。試合で疲れた私に美味し〜いケーキでもプレゼントして労ってくれなきゃ許してあげないもん」


完全に拗ねてしまったリーシャは、今回のクジラ達の失敗を良いように扱ってやると決めたようだ。ツンとした表情と共に、どうすれば許してやるかを口にして、チラリチラリと視線をクジラに送る。


「諒」

「諒くん!」


自分達が怒らせてしまったと感じている啓介と優梨は、ほぼ同タイミングでクジラの名前を呼ぶ。


「ケーキは女将さんの小料理屋に帰ればあるよ。ちょっとしたウエディングケーキがね。僕達のケーキは特別製で、2段になったホールケーキだよ?」

「2段のホールケーキ!?本当!?」


彼女のわざとらしい要求に苦笑しながら、アリーナから女将の小料理屋へと戻れば、食後のケーキに凄いものがあると口にするクジラ。リーシャはそれを聞くと目を輝かせて本当かと聞く。


「うん、僕はリーシャに嘘を吐かないからね」

「やったぁぁ!すごく楽しみっ!それじゃあ仕方がないから、私の試合を見てなかった事は許してあげる!」

「あはは、それは良かった。それよりリーシャ、バトロワは終わりみたいだけども、まだ何かやんのかな?」

「ううん!もう何も!早く帰りたいね!2段のホールケーキが私達を待ってるよ!さ、早くみんなに呼びかけて小料理屋さんに戻ろ!」


2段のホールケーキの存在を知った事で途端に元気になったリーシャは、ニコニコと笑いながら彼の手を引いてみんなに帰る準備などの呼びかけをしようと伝える。クジラは楽しそうにリーシャの変わりようを見ながら、バトルロワイアルが終わったステージの中央へ彼女と共に向かうのだった。









終わりが見えてきました。




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