会長達のサプライズ
最終章30話になります!
本日2回目の投稿です!
それではどうぞ!
「うぉっほん、クジラ君、リーシャちゃん。サプライズを明かす時がきたぞい」
ララ達が去り、リン、レン、ロンと戯れていると、勇者理事会会長が自信満々な様子で2人の前へとやってきた。
「あ、会長!待ってました!サプライズってなんなんですか?」
リーシャは、会長達のサプライズとは一体何かと聞き、ワクワクした表情を見せる。ちなみに会長は、チャペルウェディングが終わり、クジラとリーシャを先頭に小料理屋へと徒歩で向かうタイミングで2人にサプライズがあるから飲酒はサプライズを打ち明けるまで控えてくれと伝えたみたいだ。
「クジラ君、アゼリアアリーナに空間移動を頼めるかね?この場にいる全員をだ。今からワシ達勇者なりの祝福を2人にしてやるつもりなのじゃよ。ああ、各自に酒とツマミを持たせるようにな?」
「アゼリアアリーナですか?何をするのかはわかりませんが、わかりましたよ。みなさーん!今から勇者の方々がサプライズの祝福を披露してくれるというので、場所を移動しまーす!各自、お酒とツマミを手に持って僕の空間移動魔法で出来た空間の裂け目的なのを潜り抜けてくださーい!あ、もちろん女将さんもです!多分、2、30分程度だと思いますから、一旦厨房の料理とかはストップして是非来てください!」
クジラは会長から指示をもらうと、よくわからないけど会長の事だし凄い事をしてくれるのだろうと考え、指示通りに店内にいる面々に言われた通りの呼び掛けをし始める。妙にやる気満々な勇者達プラスヴァーチュと邪神のおじさんが料理や酒を手にクジラの元へ集まり空間の裂け目を潜り抜けていった為、他の面々もよくわからないながら同じようにして空間の裂け目を潜り抜けていった。
「会長もお先にどうぞ。僕達は女将さんと戸締りの確認をして最後にアゼリアアリーナに向かいますよ。ほら、リンとレンとロンも行っておいで?ヤヨイも早く行きな?」
「はーい!レン、ロン!行こうっ!」
「そうだねリンっ!ロンも行くよ!お姉ちゃんが手を繋いであげる!」
「うんー!ありがとレンちゃん!」
5分ほど経つと、店内はクジラとリーシャ、会長とヤヨイ、それに厨房を空ける為の準備をしていた女将さんだけが残る。
「ワシは2人にもう1つ指示をしなくちゃならないから残ったんじゃよ。ヤヨイちゃん、アレを」
「ええ、わかったわ。はい、これはクジラで、これはリーシャの分ね」
会長は楽しげに笑いながら、もう1つ指示があるから残ったと口にし、何故か1人の座ったまま待機していたヤヨイに声を掛けた。ヤヨイはそれに応じて立ち上がり、近くに置いてあった謎の荷物2つをクジラとリーシャそれぞれに押し付ける。よくわからないが、クジラの荷物からは棒状の何かが入った袋が、リーシャの荷物からは綺麗な装飾を施してある刀の鞘がはみ出ていた。
「それってもしかして……」
リーシャは自身の愛刀の鞘が見える事で、荷物の中身が予想出来たみたいだ。
「あ、僕の仕事用の服だこれ。それにヴァーチュに貰った棍もある。……アゼリアアリーナって事はまさか!?」
クジラは気付いてしまった。
「うむ、察したかのう?お主達には、アゼリアアリーナで模擬戦をしてもらうぞい!」
会長はクジラとリーシャが気付いたのを理解すると、キラキラした瞳でそう口にした。




