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具現化魔法で異世界乱舞  作者: 桃山
最終章
1972/2000

兄妹からの贈り物




最終章29話になります!


本日1回目の投稿です!


それではどうぞ!









「クーちゃん、兄妹揃ってお祝いをしに来たよ。これからもずっと仲良く、幸せに夫婦生活を送るんだよ?」


2人の母親が戻っていった後は、リーシャ以外のトトリ兄妹がお祝いを伝える為にやってきた。ランドは兄妹代表として前に出ると、クジラとリーシャに優しく微笑み掛けながら祝福をする。


「えへへ、ありがとうラン君!ララちゃん、レイ、リン、レン、ロンもありがとね!」

「僕からも、ありがとうみんな」


リーシャとクジラはその祝福を受け止めると笑顔で礼を告げた。2人とも、大好きな兄妹達に祝われたのが嬉しくてたまらないといった様子だ。


「ふっ、これは兄妹からの祝いの品だ。大事に使うんだぞ?」


ランドの横に並び立つと、ララは包装された箱をクジラに手渡す。


「義姉さん、箱の大きさの割に軽いですけども、中身はなんでしょうか?」

「開けてみたまえ」


箱を受け取ると、中身はなんなのだと興味津々に聞くクジラ。ララはそんな彼を楽しげに見つめながら、開けてみるようにと伝えた。


「それではお言葉に甘えて……。おー、夫婦茶碗ですね!」

「ああ、ぜひ使ってくれ」

「ありがとうございます義姉さん。もちろんみんなもね」

「えへへ、嬉しいなぁ〜。みんなありがとー!」


クジラは包装紙を破かないよう慎重に箱を取り出し、開けて中を確認すると笑みを浮かべる。箱の中には大きな紺色の茶碗と、紺色の茶碗よりも少し小ぶりなピンク色の茶碗がセットの夫婦茶碗が入っていた。リーシャは喜びの感情を爆発させ、リン、レン、ロンの弟妹3人にガバッと抱きつく。


「クーちゃんとリーシャ、聞いて驚かないでよ?この夫婦茶碗を選んだのはララなんだぜ!?」

「お、おいバカ兄よ!それを言うな!兄妹みんなで選んで決めたって言った方が聞こえが良いだろ!?」


リーシャと弟妹3人の微笑ましい様子を穏やかに眺めつつ、夫婦茶碗はララがセレクションしたものである事を明かすランド。ララは暴露されたのが恥ずかしかったのか、顔を赤くして文句を口にしていた。


「義姉さん、義姉さんもフーの町に移住してから随分と丸くなりましたね。出会った当初のリーシャというか、家族を毛嫌いしていた義姉さんとはまるで別人格のようです」

「私も大人になったんだろうな。ただ、それだけの話さ。それじゃあ、私とランドは席に戻る。これ以上、色々と暴露されても困るしな。リン達は2人に多少構ってもらったら、早めに戻ってくるんだぞ?私達以外にも、クジラ君達に挨拶をする者がいるだろうからな」


クジラがララに、出会った頃とは別人のように変わったと口にすると、彼女はフッと笑い、大人になったという一言で会話を打ち切る。そしてランドの腕をガッと掴むと、席へと戻っていった。他に挨拶をしに来る者達に気を遣ったようだ。


「本当にありがとうございます義姉さん、ランド。このお茶碗、大切に使わせてもらいますよ(多分、この紺色の大きい器を食欲旺盛なリーシャが使うだろうから、義姉さん達の想定とは逆の使い方をするけどね)」

「ああ、少なくとも2、3年は使ってくれたまえ。数ヶ月で落として割ったとか聞いたら、多分悲しくなるぞ私は」

「あははは、気をつけます」


席へと戻ろうとするララと一言二言のやり取りをし終えると、クジラは本当に嬉しそうな目で夫婦茶碗を見つめるのだった。






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