サプライズ待ち
最終章28話になります!
本日2回目の投稿です!
それではどうぞ!
「諒〜、リーシャちゃぁ〜ん」
「あらあらぁ、なんだか幸せそうねぇ〜」
「うわっ、母さん!?それにお義母さんも!どんだけ飲んだのさ!?」
「お、お水お水!どっちのお母さんもお水飲んで!?」
ワイワイガヤガヤと明るい声で満たされたパーティが開かれ、1時間ほどした頃、顔を真っ赤にしてヨロヨロとしたクジラ母とアリシヤが肩を組みながらクジラとリーシャの元へと寄ってくる。それぞれの両親という事もあり、会話をしてみたところ意気投合して打ち解けたのだろう。店のある部分に視線を向けて見ると、クジラ父とルーシュが一緒に酒を飲んで笑い合っていたりする。こちらも良好な関係を築けたらしい。ちなみにヨシノの両親はというと、ヨシノ達とヤケクソになって酒を飲むシータ以外の元盗賊団の面々に囲まれ、全力でおもてなしを受けていた。おそらく、ヨシノデパートの従業員として働かせてもらっている恩返しのような感じだろう。ヨシノ父が元盗賊団の褐色美女達に鼻の下を伸ばす度にヨシノ母から引っ叩かれ、その都度笑いが起こっていた。
「んぐっ、んぐっ……。ふはぁ……、それにしてもあんた達、ジュースしか飲んでないじゃない。こっちだと17歳でも咎められないんでしょ?佳乃ちゃんみたいにガバガバいきなさいよ」
「ぷはぁ〜。私もリーシャと一緒にお酒飲みたいなぁ」
クジラ母とアリシヤはそれぞれの子供から水を受け取ると、それを一気に飲み干して何故主役が酒を飲んでいないんだと指摘する。
「なんかよくわからないけど、会長がサプライズを用意したからお酒はまだ飲むなって言ってたの。そういえば、勇者の人達もみんなお酒飲んでないや」
「勇者に混じってバカ笑いしてるヴァーチュと邪神のおじさんも飲んでないね。あの2人、3度の飯よりお酒好きな人達なのに、どういう理由なんだろね?」
「勇者達もそうだよ。マールさんとか、酒と肉があれば幸せに生きていけるとか言ってたのに」
リーシャは酒を飲まない理由を話すと、クジラと共に勇者の面々プラス魔王2人を見て首を傾げた。サプライズと飲酒、何の繋がりがあるか気になったみたいだ。
「へえ、サプライズねえ。気になるし飲酒は控えましょっか」
「そうだねぇ。じゃあお水をガバ飲みして酔いを覚まさなくちゃ」
母親2人もそれが気になったらしい。酒を控えようと決めると、水の入ったピッチャーを手に取り、アリシヤと肩を組みながらヨロヨロと元いた場所へ戻っていくクジラ母。
「私、お母さんがあんなに酔っ払っているの初めて見た!」
「多分、リーシャの結婚式が嬉しくて仕方がなくて、ついつい飲みすぎちゃったんじゃないかな?ちなみに僕の母さんは結構頻繁にベロンベロンに酔っ払ってるのを目撃するかな」
「えへへ、私の事で喜び過ぎて酔っ払っちゃったのかぁ。嬉しいなぁ。私、決めたよ!会長達のサプライズが終わったら、お母さんとお酒を飲まなくちゃ!」
初めて見る母の酔っ払った姿は、自分達が原因だとクジラに言われると、リーシャは嬉しそうに微笑んだ。そして、会長達のサプライズ後に母とお酒を飲む事を決める。
「うん、それが良いよ。なんならお義父さんも誘って、親子で飲んでみなよ?」
「えへへ、そうする!なんだかそう決めたら、ワクワクしてきた!」
クジラがうんうんと頷いてルーシュも加えてあげるよう提案すると、リーシャはそれが良いと口にして、おそらく数時間後の事を考えてニヤけるのだった。




