祝言パーティ
最終章27話になります!
本日1回目の投稿です!
それではどうぞ!
「えへへ、それじゃあみんな!私とクジラの結婚を祝って、あと私とクジラの幸せな生活を祈って、かんぱーい!!」
教会にて誓いのキスが終わると、神父のありがたい説法が再度始まり、そこまで長々と続く事なくチャペルウェディングは幕を閉じたみたいだ。終了後、スーツとドレス姿のままな2人を先頭に、40人近くの人数で5分ほど歩いて女将さんの小料理屋へと向かうと、すぐさまパーティが始まったらしい。全員にコップが行き渡ると、最高な結婚式を終えてハイテンションなリーシャが綺麗な純白のドレス姿を周囲に見せびらかしながら、乾杯の音頭をとった。ただ、本来乾杯の音頭はヨシノがやる予定だったらしく、彼女は重要な役割を取られて少し悔しそうな顔である。
『『『かんぱーい!!』』』
コップを頭上に掲げた40人ほどの列席者達の乾杯の声が店内に響くと、徐々にワイワイガヤガヤと楽しそうな笑い声で店内は溢れ返り始める。
「リーシャ、開始から物凄く楽しそうだね」
「そりゃあもちろん!私達の結婚パーティだよ?楽しくない訳がないじゃん!クジラも、とっても楽しそうな顔をしてるよ!」
音頭をとり終わり、満足げな様子でオレンジジュースをコクコクと飲むリーシャに楽しそうだと告げるクジラ。彼女はその声を聞くとジュースを飲むのをやめ、自分達の事が祝われるイベントが楽しいのは当たり前だと口にする。また、そんな事を尋ねて来たクジラだって楽しそうな顔をしているじゃないかと指摘した。
「あはは、まあ確かにね。楽しくない訳がないや」
クジラはリーシャの返答を聞くと、確かにそうだと言いながら頷き、自身のコップに入ったリンゴジュースをぐいっと飲み干す。
「諒!それと……、リーシャさん。良い結婚式だったな!というか、俺らの世界の結婚式とあんまり変わりがなくて驚いたぞ!」
「そうだね〜。佳乃が結婚とかする事になったら、異世界要素をふんだんに含んだ凄まじい結婚式を挙げてね?」
「断る!私は超イケメンの夫とクジラ達以上に素敵な結婚式を挙げる予定だから、ゲテモノ結婚式なんて絶対にやらないんよ!」
その後、肩を寄せ合いながら美味しい料理に舌鼓を打っていると、クジラの親友である啓介と優梨、家族的存在であるヨシノが近寄ってきた。 幼馴染という事もあり、とても仲が良い様子だ。
「3人とも、今日はありがとね。特にヨシノ。ヨシノはそもそも彼氏が出来るかわからないけど、もしも結婚式を挙げるとなったら全力で協力するからね」
「は?お前全力で協力の前に全力でバカにしてんだろ!見てろよ!?絶世の美男子を捕まえてやるんだから!」
クジラが楽しげに笑いながらヨシノを煽ると予想通りに怒り出し、それを見て大笑いするリーシャや啓介達。
「佳乃が結婚するには、異世界に佳乃みたいな背が低い子を好みな男がいるかが問題だよな。やっぱ男ってのはどんな世界でも共通して、シータさんみたいなセクシー美女に魅了されるもんだろ」
「あら、ふふふっ。啓介君だったっけ?嬉しい事を言ってくれるね。でも、独り身で無いのにそんなこと言ってたら素敵な彼女さんが怒っちゃうわよ?」
ヨシノが結婚する為に生じてくる問題を口にし、自分なりに導き出した全世界共通の男の好みを口にする啓介。シータはそれをしっかりと耳にしたようで、嬉しそうに笑いながら近寄り、啓介の頭を撫でながら優梨の顔を見た。どちらも顔を真っ赤にして固まっている。
「えへへ、全世界共通で男を魅了するセクシー美女でも、シータって未だに恋人いないよねぇ……はぅっ!?」
ゴッ!
リーシャがぽわぽわとした笑顔を浮かべながら言ってはならない事をサラッと口にすると、シータの拳骨がゴチッと彼女の頭に落ちた。
「リーシャ、シータにそれは禁句だよ……」
「うぅ〜、痛たた……。話の流れ的についうっかり」
「どうせ私は彼氏のいないダメなセクシー美女ですよーだ。……よし、啓介君!優梨さん!それにヨシノ店長!飲みましょう!特にヨシノ店長は私と一緒に脱独り身をする為の対策を語らいましょう!」
おそらくは乾杯からお酒を飲み、この時点でシータは若干酔っていたのだろう。テンションの上がり下がりが激しい様子を見せながら、クジラとリーシャ以外を巻き込んで飲もう言いながら啓介達の手を引き始める。
「ちょ、俺未成年!」
「私とヨシノもだよ〜!」
「15歳を越えていればアゼルトリア内での飲酒喫煙は許されるから大丈夫!さあ、あそこのテーブルが空いているから、あそこで飲み明かすわよ!ヨシノ店長も早く来てください!」
「あっひゃひゃひゃ!おっけー、良いんよ!やっぱシータは私の味方だな!」
ヨシノがシータの誘いを快諾した事により、彼女達は空いたテーブルに座って美味しい料理と共に飲み始めた。
「シータ、楽しそうだねぇ」
「……ヤケクソなんだと思うよ?」
リーシャがその光景を見て楽しそうだと口にして笑った後、僕の嫁は無自覚でえげつない事をするなぁなどと思うクジラだった。




