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具現化魔法で異世界乱舞  作者: 桃山
最終章
1968/2000

真の夫婦




最終章25話になります!


本日2回目の投稿です!


それではどうぞ!









「ねえクジラ、やっぱり緊張してる?」


リーシャは目の前の扉が開く時を今か今かと待ちながら、自身の左手を右手で優しく包み込んでくれるクジラの温かさを感じながら、一言質問をした。


「そりゃあもちろん。でも、リーシャに楽しもうって言われてから、不思議と気が楽になったかな?現に、普通に会話が出来ているからね」


クジラはニコリと穏やかに笑い、彼女と同じように扉がいつ開くか待ちながら質問に回答する。つい数十分前に青い顔をして緊張していた人間とは思えない落ち着きぶりである。


「えへへ、その様子ならばいつ扉が開いても大丈夫だね!……それにしても、結婚式かぁ。1年と少し前に婚姻届をラン君に貰って、それに記入して提出した時から私達は正式な夫婦になったけども、夫婦になる前と変わらない日々を送ってたから、結婚を実感出来る事があんまりなかったんだよね。だから、今日キチンと夫婦になる誓いをして、みんなにお祝いをされたらきっと夫婦になった実感が湧くはずだよね?私達は、真の夫婦になれるかな?」

「いわれてみればそうだね。結婚の届け出を出したからって、日常の何かが変わるなんて事は無かったもんね。今日、結婚式のおかげで絶対に実感が湧くはずだよ。だから、ようやく僕らは真の夫婦になれるんだと思うな」


そんな落ち着いたクジラを見て安心した後、あらたまって自分達の関係について口にするリーシャ。クジラは彼女の言葉を時折頷きながら聞き終えると、絶対に実感が湧く、今日から自分達は真の夫婦なんだと肯定した。それを聞くと、リーシャはとても嬉しそうに微笑んだ。


ガチャ、キィィ……。


彼女が微笑むのと同時に、ゆっくり、とてもゆっくりと開いていく扉。彼らの晴れ舞台の始まりは数秒後に迫っているみたいだ。


「ね、クジラ?私と結婚出来て幸せ?」

「そりゃあもちろん。僕のお嫁さんはリーシャ以外考えられないよ。リーシャはどうなの?」


本当にゆっくりな速度で開いていく扉を見ながら、クジラに幸せかと聞くリーシャ。クジラは当たり前だと頷きながら、同じ質問を彼女にする。


「えへへへ、ご想像にお任せします♪さ、扉も半分くらい開いたし、ゆっくりと歩き始めよ?」


リーシャは言葉では語らなかったが、素敵な笑顔を振りまいて答えを表現すると、彼の手を優しく引いて小さく1歩踏み出す。


「うん、そうだね。リーシャ、愛してる」

「私もっ!」


2人は教会に足を踏み入れると、盛大な拍手で出迎えられながら、歩幅を合わせてゆっくりと神父の前まで歩いて行くのだった。






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