いつでも
最終章24話になります!
本日1回目の投稿です!
それではどうぞ!
「あ、やっと来ましたね団長。待ってましたよ」
空間移動により、教会の入り口に到着するクジラとリーシャ。入り口ではシータが1人立って待機しており、クジラ達の顔を見ると安心したような表情を浮かべていた。
「もしかしてずっとここで立って待ってたりした?そうだったらごめんね」
クジラは彼女の安心した顔を見て、ずっとここで待機させていたのなら悪い事をしたなと思い、軽く詫びる。
「いえ、10分も待っていないので大丈夫ですよ。招待者が全員揃いましたし、神父の方が予定時刻よりも若干早いけれど、新郎新婦の準備が完了次第、式を始めても大丈夫とおっしゃっていたので、団長とリーシャに確認をする為、ここで待っていたんです」
「なるほどね。今の時刻を教えてもらっても良いかな?スマホはヨシノの指示通り、家に置いてきたからね」
シータの話を聞くと、なるほどと口にして現在時刻を聞くクジラ。
「今は9時54分。予定時刻の6分前ですね。それでどうします?もう始めてしまうか、予定時刻まで気持ちを整える事にするか決めて頂けますか?」
シータは腕時計でサッと時刻を確認して伝えると、クジラに選択肢を与える。
「リーシャ、僕はいつでも良いよ。そっちはどうかな?」
「えへへ、もちろん大丈夫!もう楽しみで楽しみで仕方がないって感じ!」
「あはは、リーシャは全く緊張しないから本当に凄いね。シータ、そういう訳だからさ、神父さんに僕らはいつでも大丈夫だって伝えてきてもらえるかな?」
クジラは、自分はいつでも大丈夫だと伝えた後、リーシャは大丈夫か?と、半分答えがわかりきった質問をする。それにもちろんという返事が返ってきた為、彼はシータに向き直り、早めに始めて大丈夫である事を神父に伝えるよう頼んだ。
「はい、わかりました。それでは早速伝えて来ますね。私はそのまま招待者の席に座りますので、おふたりはここで扉が開くのをお待ちくださいね?おそらく、私が教会の中に入ってから1、2分ほど経過した頃に開くと思いますから。それでは素敵な姿を期待しています」
シータはクジラの言葉に頷くと、扉が勝手に開くまでここで待機しているように伝える。そして最後に期待してると言い残し、ゆっくりと入り口の扉を開いて教会の中へと入っていった。クジラとリーシャはそれを見送った後、どちらからともなく互いの手を握り合う。そして顔を見合わせて微笑むと、じっと扉を見つめて時が来るのを待つのだった。




