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具現化魔法で異世界乱舞  作者: 桃山
最終章
1966/2000

楽しもう!




最終章23話になります!


本日2回目の投稿です!


それではどうぞ!









「10分前……か。り、リーシャ、緊張してない?大丈夫?」


クジラはリビングの壁に掛けられた時計を凝視しながら、リーシャに心配そうな声を掛ける。では若干震え、冷や汗をかいていた。


「その言葉、自分に言い聞かせた方が良いと思うなぁ。クジラ、凄い緊張してるけども大丈夫?」


リーシャは全く緊張していないようだ。なんて事のない顔をしながら、逆にそちらが大丈夫かと質問をする。


「なんだか結婚式が直前に迫ったら、急に緊張してきちゃったよ。魔王が緊張だなんておかしいね。はははは……」

「えへへ、そうだねぇ。それじゃあさ?今のメイクで超可愛くなってる私に間近でジーっと見つめられるのと、人前に出て注目を浴びるのだと、どっちがドキドキする?」


緊張したクジラの言葉を聞いてクスクスと笑った後、続いて今の自分と多数の人からの視線、どちらがドキドキするかと聞く。質問から会話を広げ、彼の緊張をほぐしてあげようという考えだろう。


「う〜ん……、リーシャに見つめられた方がドキドキするかなぁ。なんていうか、本当に僕が結婚しても良いの?って不安になってしまいそうな程に綺麗だからさ」

「ちょ、ちょっと!不意打ちで私の方までドキドキさせるなんて卑怯だよ!?」


クジラは緊張のし過ぎで冗談を言う余裕は無いはずだ。その為、本心をそのまま口にしたのだと思われる。それによってリーシャは顔をほんのり赤くし、クジラに卑怯だと文句を付け始めた。


「ご、ごめんね?でも別に冗談とかじゃなくて、本音を言っただけだからね?」

「もお〜、そういう言葉も今はダメだよクジラ〜。わざとやってる訳じゃないから憎めないし、タチが悪いんだから。でも、私にジッと見られた方がドキドキするなら、新郎新婦入場の時はずっとクジラの事を見つめていてあげるね!そしたら、周りの視線は気にならないでしょ?」


クジラが本心から言葉を口にしている事を理解している為、呆れたように笑いながらクジラの頬をツンツンと突きながらタチが悪いと伝えるリーシャ。また、周りの視線よりも自分の視線を向けられた方がドキドキしてくれるのだなと知ったリーシャは、新郎新婦入場の時、周りの視線が気にならなくなるようにジッと見つめていてあげる事をクジラに伝えた。


「ありがとうリーシャ。でも、リーシャと周りの人の目線のドキドキがダブルで襲ってきたらヤバくないかな?緊張でマトモに歩けるかがわからなくて不安だなぁ」

「大丈夫だよ!もしもダブルでドキドキが襲ってきたり、緊張で頭が真っ白になりそうって思ったら、とにかく私の事をジッと見てね?そしたらきっと、私を見る事に夢中になって周りの事なんて気にならないからさ!」


緊張によって恥をかかないか不安になり、弱気な言葉を口にするクジラ。リーシャはそんな彼に満面の笑みで大丈夫だと励まし、緊張により押し潰れそうになったら自分の顔をジッと見つめるようにとアドバイスをする。


「……緊張し過ぎでマズイって思ったら、リーシャの顔をジッと見つめる。……よし、新郎新婦入場の時はずっと頭の中でその言葉をループ再生させておくよ」

「えへへ、それが良いよ!……それじゃあさ、もう残り8分ほどで新郎新婦入場の時間だろうし、教会の入り口の前にスタンバイしよっか」

「そうだね。……うああ、更に緊張してきた」

「クジラ!」

「うひゃあ!?突然どうしたの?」


そろそろスタンバイしようと言われ、更に緊張してきたと呟くクジラに、リーシャは大きな声で呼びかける。それにビクッと驚き、クジラは間抜けな声を上げた。


「結婚式を楽しもう?一生に一度の私達だけのお祭りなんだから!」

「楽しむ……か。ありがとうリーシャ。今の言葉を聞いたら少しだけ気が楽になった気がするよ。それじゃあ、教会の前にスタンバイしよう」


間抜けな声をあげたクジラの手を強く握り、笑顔で楽しもうと伝えるリーシャ。彼女の言動によって自然と笑みを浮かべていたクジラは、軽く礼を言うと共になるべく緊張せず、全力で楽しめるよう頑張ると決めるのだった。





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