表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
具現化魔法で異世界乱舞  作者: 桃山
最終章
1962/2000

ヨシノの不安




最終章19話になります!


本日2回目の投稿です!


それではどうぞ!









「……なあ、ひとつ聞きたい事があるんだけども良い?」


10分程の沈黙の後、ヨシノはクジラに一言声を掛ける。


「ん?なに?ヨシノが僕にそんな恐る恐る質問してくるなんて珍しいね」


クジラはヨシノの質問の仕方が普段とは違うなと感じたらしい。目をパチクリとしながらその事を指摘する。


「私自身、思った通りの答えが返ってくると嫌っていうかなんというか……」

「なんの話なのかはよくわかんないけど、一応聞かせて?ヨシノの思い通りの答えが返って来たとしたら……どんまい?」


普段の思った事はとりあえず口に出すド直球な性格はどこかに飛んで行った様子のヨシノは、クジラの指摘を受けるとやっぱり言うのをやめようかなといった様子をみせる。クジラは引き止めるように話を聞かせろと口にし、場を慰めるような言葉を口にしてニッと笑った。


「……はぁ、なんて無責任な。まあ、ほんの少しだけ気が楽になったから言うけど、お前らって結婚してるし、この結婚式を機に家から出て2人で暮らしたり考えてんのかなって思ってさ。お前ら2人とも、普段はボケーっとしてるから心配だし、今までずっと仲良く一緒に暮らしてた訳だから、……寂しいなって感じたんよ」


ヨシノはクジラの無責任な言葉にため息を吐き、呆れたように笑うと言いたかった事を口にし始める。その質問というのは、今後の生活の事であった。


「ん〜、特に考えてないよ?ヨシノ達と暮らしてた方が、家事とかもあんまりしなくて良いから楽ってリーシャも言ってたし。だから安心して良いんじゃないかな?」

「あ、そうなん?それじゃあ、私の心配は無駄だった訳か……」


クジラは腕を組み、軽く唸った後に家を出るつもりはない事を伝える。家を出るよりも、現状の方が圧倒的に楽な生活が出来るというのが決め手のようだ。ヨシノはそれを聞くと、ホッとした表情を浮かべる。2人と今までと変わらない馬鹿騒ぎな日常を過ごせる事に安心したのだろう。


「それにしても、ヨシノから寂しいって言葉が出るとはね。1週間くらいはこのネタで弄れそうだ」

「はぁっ!?おまっ、今の話を誰かに言ったらブッ飛ばすぞ!」


そんなホッとした様子の彼女に、クジラがニヤニヤとしながら先ほどの発言について口にすると、ヨシノはガバッと顔を上げて若干頬を赤くした。自分が中々恥ずかしい事を口にしていた事に気付いたみたいだ。


「あははは、魔王にブッ飛ばすなんて言える商人はヨシノくらいだと思うよ。僕とリーシャは明日以降も家にいるから寂しくないからね〜?」

「うぜええええええっ!今日は結婚式だし勘弁してやんよ!だけど明日以降は絶対に殴る!覚えてるんよ!?」


クジラが笑いながらヨシノを茶化すと、彼女は絶叫して怒りを発散する。そしてビシッとクジラを指差すと、明日以降は許さないと宣言をした。怒っているはずなのだが、悩みが消えてスッキリとしたからか、笑っているようにも見えた。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ