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具現化魔法で異世界乱舞  作者: 桃山
最終章
1961/2000

化けるのを待とう




最終章18話になります!


本日1回目の投稿です!


それではどうぞ!









コンコンコン!ガチャ!


「シータシータ!お化粧してもらいに来たよ!」


リーシャはアパートのシータ達元盗賊団の女性が暮らす部屋の扉を軽快にノックした後、勢いよく玄関を開いて元気いっぱいな声を出す。普段以上に元気が有り余っている様子だ。


「いらっしゃい。泣き止むのが意外と早かったのねリーシャ。クジラ団長もお疲れ様です。そのスーツという衣装でしたっけ?ピシッとしていて、とてもお似合いですよ」


すると、結婚式に出席する用だと思われる落ち着いたベージュのワンピースを着用したシータが玄関に出迎えに来た。


「ありがとうシータ。ヨシノが化粧をしてるの見た事がないし、リーシャの化粧はシータがしてくれるんでしょ?よろしく頼むね」

「はい、任せてくださいクジラ団長。リーシャ、私の部屋においで。クジラ団長はヨシノ店長と一緒にリビングで待っていてくださいよ?覗いたりしたら、怒りますからね?」

「あははは、化粧をしたリーシャを楽しみに待つ事にするよ」


シータはクジラにリーシャの化粧を頼まれると、ピシッと背筋を伸ばして了解であると応える。そして、リーシャの手を引いて自分の部屋へと歩いて行く。化粧技術でクジラを驚かせたいのか、絶対に覗くなと警告がとても念入りだった。


「えへへ、クジラ!化粧で超綺麗に化けてくるから、ビックリして腰を抜かしたりしないでよね?」

「うーん、こればっかりは化粧し終わったリーシャの顔を見てみなくちゃ、どうなるかはわからないな。とりあえずシータの腕を信じて、腰を抜かす程に可愛らしいリーシャを期待しながら待ってるね」

「うんっ!それじゃあちょっと待っててね!シータ、お願いね?」


クジラが期待して待っている事をリーシャに告げると、リーシャは満足そうに頷き、自身の手を引いていたシータに声を掛ける。


「任せて。クジラ団長が照れ過ぎてリーシャを直視出来ない位に仕上げてみせるからね。それでは団長、本当に覗いてはダメですからね?ヨシノ店長、しっかりと監視していてください!」


シータはリーシャの言葉にしっかりと頷いてみせると、再度クジラに警告をして、ヨシノにも彼の見張りをするように頼んだ。自身の化粧の腕前でリーシャを今以上に綺麗にして、クジラを驚かせるというちょっとした恩返し的な事がしたくて仕方がないのだろう。


「あいよ〜、ほらクジラ。適当に座った座った。ここまで警告されてるんだし、従ったほうがいいと思うんよ。いくらお前に対して忠義を尽くしてるシータでも、今回ばかりは警告を無視したら本気で怒るかもしれないからな」


ヨシノはシータの頼みを軽く引き受けると、近くにあった座布団をボフボフと叩いてクジラに座るよう言い聞かせる。


「うん、確かにシータにここまで警告をされたのは初めてだから、大人しく従う事にするよ。それに中途半端な未完成を覗き見た後に素晴らしい完成品を見るより、素晴らしい完成品を初見に見た方が感動も大きいでしょ」

「よくわかってんじゃん。それじゃあリーシャの化粧が終わるまで、ポケーッとしながらジッと待ってると良いんよ」


団長と呼んで忠誠を誓うクジラに対し、こうも強気で物を言うシータが珍しかったみたいだ。クジラは警告を破らず、大人しく待機している事を口にした。最大限に感動を味わいたいようで、そもそも警告がなくとも覗く気はなかったらしい。


「……なあ、ひとつ聞きたい事があるんだけども良い?」


どちらかが座る体制を直す時、布が擦れる音を発生させる以外はほぼ無音な空間にて、特に会話もなく化粧が終わるのをヨシノと共に待つ事10分。沈黙に耐えきれなくなったのか、ヨシノはそう一言クジラに声を掛けた。






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