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具現化魔法で異世界乱舞  作者: 桃山
最終章
1960/2000

渡されたメモ




最終章17話になります!


本日2回目の投稿です!


それではどうぞ!









「それにしても、本当に似合ってるね。ドレス作りはヨシノに一任して正解だったなぁ。ところで、ヨシノとシータは?」


花嫁姿のリーシャと対面した5分後、2人はリビングにある椅子に並んで座り、仲睦まじく雑談をしていた。もちろん、互いの手を恋人繋ぎで握りあいながらだ。


「えへへ、私をクジラの元に送り出す時に、空気を読んで去るって言いながらお家から出て行ったよ。2人には絶対に何かしらの恩返しをしなくちゃね」


リーシャはクジラの質問に、満面の笑みで返答する。泣き止んでからは、溺愛する彼との結婚式が楽しみで仕方がないのか、ずっとニコニコしっぱなしだ。


「それなら、ヤヨイとかカーリーとか、ランドとか義姉さんにも感謝しなきゃだね。結婚式の計画が始まった時から今日まで、全力で協力してくれたんだよ?今なんて結婚式が終わった後のパーティの為に、女将さんの小料理屋で昨日から仕込みをしてるんだよ」

「だから昨日の夜ご飯はクジラと2人きりだったんだねぇ。そういえばこの3ヶ月間、晩御飯の後に用事があるって言ってお外に出て行く事が週1か2であったね。今思うと、凄い怪しい行動だったなぁ」


クジラが仲間達の熱心な協力について口にすると、リーシャはこの3ヶ月間の事を思い返し、確かに怪しい行動が沢山あったと言ってウンウンと頷く。不思議に思っていた事が全て解消されたからか、とてもスッキリとした表情であった。


「おそらく、今後は用事とか言って夜に家を出て行く事は無いだろうし、あったとしてもキチンと理由を話すだろうから安心してね?」

「えへへへ、クジラがほぼ毎日用事で晩御飯の後に出掛けて行ってた時期は、本当に寂しかったんだからね?今度からは、お嫁さんに寂しい思いをさせたら絶対にダメなんだから」

「わかってる。もう寂しい思いはなるべくさせないように気を付けるよ」

「うんうん、よろしい。今まで私に寂しい思いをさせてきた事、全部許してあげるね!……あっ、そうだ。クジラクジラ、ヨシノからメモを預かってるんだった!」

「……どこから取り出してるのさ」


クジラとの雑談で幸せいっぱいな表情をしていたリーシャは、何かを思い出したような声を漏らすと胸元に手を突っ込むとメモを取り出し、クジラに手渡した。


「えへへ、ドキッとした?ついさっき、ヨシノが遊び心で胸元に隠しポケットを作ったの。メモを渡すこの瞬間の為だけにね。でも、クジラが思う通りに照れなかったからちょっぴり残念かなぁ」

「いくら自分のハンドメイドだからって遊び過ぎだろ……。まあ別にあってもなくても変わらないような機能だし、別にいいか。それで、メモの内容はなんだろ?」


ヨシノのよくわからない遊び心に呆れた笑みを浮かべた後、リーシャから受け取ったメモを読み始める。リーシャも隣から覗き込んでいる為、内容を知らないみたいだ。


『どうせ泣くだろうからまだ化粧はしてないんよ!イチャラブが終わったらすぐにシータの部屋に来るように!』


メモの内容は、化粧をするからシータの部屋に来いという事だった。本来はドレスの着付けの直後にやるつもりだったらしいが、今にも泣きそうなリーシャを見て、二度手間になる事がわかりきってしまった為、化粧は後にしたのだろう。もしかしたら、メモを手に持っていたら感動の対面の邪魔になる、もしくは涙でぐしゃぐしゃになって解読不要になる可能性があるから胸元に隠しポケットを付け加えたのかもしれない。


「リーシャ、シータの部屋で化粧をしてくれるみたいだよ。これ以上リーシャが綺麗になったら、ドキドキし過ぎて僕の鼓動が半端ない事になりそうだよ」

「えへへへ、もっと綺麗になってクジラの顔を真っ赤にさせてやるんだから!もう涙は出ないから、早速行こう!」


これ以上無いというレベルでニコニコ笑うリーシャは、涙は出し切ったと伝えながらクジラの手を引っ張って、シータの部屋へと向かう事にするのだった。






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