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具現化魔法で異世界乱舞  作者: 桃山
最終章
1952/2000

後告知




最終章9話になります!


本日1回目の投稿です!


それではどうぞ!









「ふぅ〜……」


クジラはユキとエリの師弟コンビと別れると、自宅のリビングに移動してボフッとソファに倒れ込んだ。いろんな場所に行って帰ってを繰り返し、若干疲れてしまったみたいだ。


「勇者の人達は魔法の鏡を使ってフーの町まで来るから迎え不要って言ってたし、ヴァーチュとか邪神のおじさんは空間移動ではないってに来るし、ランドとサーヤさんと義姉さんはそもそもフーの町住みだからスマホにメール入れる程度で大丈夫だし、あとはトトリ家のみんなだけかなぁ」


ソファで仰向けになって寝転がりながら、残りの招待者について呟く。起き上がる様子はない為、少しの間休憩してから迎えに行くつもりなのだろう。


「今は7時37分か。7時50分になったら再開しよう。休憩しないと結婚式本番まで身体がもたないからね」


クジラはそう呟き、自分の発言にウンウンと頷いて納得をした声を出すと、全身の力を抜いてグダッとリラックスした体制になり、スマホを弄りだした。




キィィ


「ふぁあ、おはようクジラ〜」


それから、休むと決めた時間を超えて15分近くダラダラと無駄に時間を潰していたクジラの前に姿を見せるリーシャ。若干寝ぼけた様子の表情だ。


「……お、おはようリーシャ。自分から起きるなんて珍しいね(ど、どうする?このタイミングでこれからの事を口にしてしまおうか?)」


クジラは、まさか今日に限って自分から目覚めてしまうか……と、心の中で思いながら挨拶をして笑顔を見せてやる。


「……んんぅ?なにかぎこちない挨拶だね。もしかして、私に見られないようなエッチな本でも読んでたのかなぁ〜?」


リーシャはそんなクジラの挨拶に違和感を感じたようで、ジトーっとした瞳でクジラを見つめた後、彼の両頬を軽くムニーッとつまんで自身の顔を彼の顔の超至近距離へと近づける。時折、唇同士がかすっていたが、どちらもあんまり気にしていない。


「……何を隠したのか聞きたい?」

「む、今日はやけに強気だね。教えてくれるなら聞かせて欲しいなぁ。ちなみに、やっぱ教えな〜いとか言ったら平手が飛ぶよ?」

「ふっふっふ、この話を聞いたらリーシャは泣いちゃうかもよ?まあ、リーシャがやっぱり聞きたくないって言ってもあとちょっと時間が経ったら教えるんだけどね。それじゃあ今聞くのと、約1時間30分後に聞くのどっちがいい?」

「な、何を伝えようとしているの?なんでいつもと違ってそんなに強気な姿勢なのさ?」


クジラがやけに自信満々に口を開こうとしている為、逆にそれが不安にさせたのだろう。リーシャは本当に今聞いちゃって良い事なのかなと躊躇した姿をクジラの目の前で晒す。


「後での方が良い?リーシャ的には、後告知の方が喜ぶんじゃない?」

「それは私が喜ぶ事……なんだよね?」


クジラが最初に口にした自分が泣いてしまうという事が引っかかっているみたいだ。珍しく強気なクジラのもったい振った言葉にオロオロと困惑しながら、良い事なのか、それとも悪い事なのかを質問する。


「僕がリーシャに悲しむような事を言うはずがないじゃん」

「えへへ、そうだよね?……じゃあ、クジラを信じるよ?そっちの方が喜ぶっていうなら、後で伝えて欲しいな?私、ドキドキしながら待ってるからさ」

「後が良いんだね?わかったよ。そうしたら、僕はそろそろ準備でこの場から出なきゃいけないから、30分から1時間くらいはこの家の中でのんびりしていてくれないかな?」

「お外で何かするの?……気になるけど、すっごく気になるけども、クジラが言うならば家の中でゲームでもしながら待ってるね」


クジラが自分を喜ばすような事を言おうとしているのを理解すると、リーシャはクジラが言う自分が1番喜ぶタイミングでそれを伝えてもらう事に決めた。クジラはそれに笑顔でわかったと答えると、家からは出ないで欲しいというお願いをする。もちろん、彼を信じると決めたリーシャがその願いを拒否する訳はない。


「ありがとね。それじゃあ、ちょうど8時で時間も良い感じだから、僕はちょっと外に出てくるよ。多分帰ってくるのは8時30分くらいかな?遅くとも9時には必ず戻るから」

「うん、ゲームやってればすぐだろうし、楽しみに待ってるね。いってらっしゃい」


リーシャがお願いを聞いてくれた事に感謝すると、クジラはゆっくりと立ち上がりながら帰り時刻の予想を口にする。リーシャは彼の言葉にふんわりと微笑みながら応答し、小さく手を振りながらいってらっしゃいと告げた。クジラは朝起きてからようやく彼女と会話をしたからか、やる気を先ほどまでの5割り増しほどに出して最後の迎えに出向くのだった。





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