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具現化魔法で異世界乱舞  作者: 桃山
最終章
1949/2000

主従コント




最終章6話になります!


本日2回目の投稿です!


それではどうぞ!









「あー、久々だなぁ。このレントロ牧場に来るのも。あとで、景気付けに美味しい牛乳を1杯飲ませてもらおっと」


異世界の招待者達と別れた後、クジラはレントロ牧場にやってきた。のどかな風景を見回し、懐かしいなと口にしながら微笑むクジラ。自分達が旅をしていた頃の事を思い出したのだろうか。


「さてと、ミナミさん達はいつも通りおみやげ屋さんにいるのかな。早速行くか」


クジラはレントロ牧場の中を歩き出し、迷う事なくおみやげ屋さんに直行する。


コンコン、ガチャ


「……ミナミさーん、エリちゃーん?」

「はいはーい!クジラお兄さん!お久しぶりだね!リーシャお姉さんとの結婚、おめでとう!」


おみやげ屋さんの扉をノックしてから開き、2人の名を呼ぶクジラ。すると、元気の良い返答が返ってきて、パタパタと小走りでエリが現れた。黄色の可愛らしいドレスワンピースを着ていて、彼女の健康的な褐色肌が映える素敵な格好だった。


「久しぶり。それとありがとうエリちゃん。とっても可愛い格好だね。凄く似合ってるよ」


クジラは、反抗期に入らないで1年前から変わらずお利口さんなエリに目を向けると、優しく微笑みながら礼を伝え、格好を褒める。


「えっ?ほ、本当かいお兄さん!ふふふ〜、お兄さんに褒められて嬉しいなぁ〜」

「結婚式当日にウチの子をナンパするなんて、魔王様ってばリーシャに殺されるよ?」


エリが褒められた事で頬を赤く染めながらニヨニヨと笑っていると、店の奥からミナミがマイペースに歩きながらやってきた。


「おはようございますミナミさん。別に、エリちゃんを口説いていた訳ではないですからね?もちろん、社交辞令って訳でもなく、本音を口にしただけです」

「はいはい、おはよう魔王様。流石に今日は白髪ちゃんと魔王様の夫婦喧嘩を見たくないから、内緒にしてあげる。そうと、これご祝儀ね」


ミナミはクジラの言い訳を適当に流した後、今日だけは内緒にしてやると口にしてニヤリと笑う。その後、ポケットからご祝儀袋を取り出してクジラに手渡した。


「いえいえ、ご祝儀なんて用意しなくて構わないですよ。僕とリーシャは共働きでどっちも高給職に就いてるせいで、無駄にお金はあるんで」

「いーや、貰っておいて!私は別に良いから、エリが素敵な男性と結婚をする時に、数十倍にして返してあげてね!ほら、ポッケに突っ込んでおくよ!」


クジラは軽く笑いながらご祝儀は大丈夫だと言って押し返そうとしたが、ミナミは下心が満載な事を口にして彼のズボンのポケットに無理矢理ねじ込んだ。エリの事を娘のように可愛がっているミナミらしい行動である。


「あははは……、わかりましたよミナミさん。エリちゃんが結婚するって時に、キチンと約束を果たしますので、ありがたく受け取っておきますよ」


流石はミナミさんだなと思いながら笑った後、クジラはご祝儀を受け取る事に決め、ありがとうと礼を言って頭を下げた。


「うんうん、それで良し!良かったねエリ!これできっと、エリが大人になって結婚をする時に資金で困る事はないよ!」

「主のバカっ!ごめんよクジラお兄さん。うちの主、遠慮がないうえにバカだから……」

「よしよし、エリちゃんは本当に良い子だなぁ。何か困った事があったらすぐに僕に言うんだよ?絶対に助けてあげるからさ」

「ありがとねお兄さん!何日か、カーリーと役割交換してお兄さんのお手伝いをしてみるのもありかなぁ……」

「エリたん!?もしかして私を見捨てる気なの!?」


ミナミの暴走に呆れながら、エリが数日間の間、カーリーと役割交換をして一時的にクジラの精霊になってみるのもありかなと呟くと、目に見えてショックを受けてそうな顔をするミナミ。


「これ以上暴走するなら、それもありだと思わないかな?お兄さんもそう思わない?私、光魔法ならなんでも使えるから凄く役に立つと思うよ?」

「うん、採用。エリちゃんさえよければ、シータ率いるクジラ魔王軍団にいつでも迎え入れるよ」

「ちょっ!?魔王様!?私のエリを勝手に引き抜きしないで!」

「あはは、引き抜きされたくなかったらエリちゃんをもっと大切にしなくちゃダメですよミナミさん。エリちゃん程に優秀な精霊なんて、滅多にいないと思いますよ?」

「えっへん、そうだよ主!私程の大精霊が、主みたいなポンコツ薬師兼おみやげ屋さんの店番なんかと契約してるのは奇跡レベルの幸運なんだから!」

「くぅぅ……、クジラにベタ褒めされて調子に乗ってるエリたん可愛い。これで何かしら大ポカをしてくれたらもっと可愛い……」

「……クジラお兄さん、本気で1回だけ私と契約してみる?」

「あぁ〜!ダメダメダメ!ごめんねエーリー!」


ミナミは笑顔で怒りながらクジラと新たな主従契約を結ぼうとするエリにしがみ付き、摩擦で熱く感じる程の速さで頬スリをし始める。


「クジラお兄さん、騒がしくてごめんよ?」

「良いの良いの。2人のやりとりは見てて面白いからね。でも、今日はそんな時間がないからそろそろフーの街に移動しようか」

「うん!そうだねお兄さん!……ちなみにもうユキ師匠はフーの街にいるのかい?」

「いや、次に行こうと考えてたかな」

「そしたら、ユキ師匠の所に私も連れて行ってくれないかい?最近会ってないから、早く会いたいんだ!」

「うん、わかったよ。それじゃあそろそろフーの街に移動しようか」


クジラは次に向かうユキの所にエリを連れて行く事に決めると、空間移動を行使してフーの街へと向かう戻るのであった。






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