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具現化魔法で異世界乱舞  作者: 桃山
最終章
1948/2000

テンション高めな異邦人達




最終章5話になります!


本日1回目の投稿です!


それではどうぞ!









「へぇ〜、ここが異世界なのねぇ〜。諒君、諒君達はどこに住んでるのかしらぁ?……ああ、こっちだとクジラ君って呼んだ方が良かったりするの?」


初めて異世界に来たヨシノ母は、若干興奮した様子でキョロキョロと辺りを見回しながらクジラに饒舌に話しかける。


「別にどっちでも良いよヨシノの母さん。僕の家はあっち。ほら、あそこに世界観ぶち壊しなビルがあるでしょ?あそこの裏だよ」

「あら〜、もしかしてあれがウチの佳乃が社長さんやってるっていうお店なのかしらぁ?」

「うん、まあ今日は僕とリーシャの為に休業にしてもらってるけどね。売ってる物的にあっちの世界と変わりがないから、あっちの世界の物を見慣れているみんなにとっては、そこまで面白い店ではないと思うよ」

「それでも佳乃のお店なんだから気になるわねぇ。よし決めた、明日行って見るわぁ〜」


クジラがこの街で1番高く目立つ建物であるヨシノデパートを指差すと、ヨシノ母はあれがヨシノの店なのねと目を輝かせて口にした。娘が所有する建物という事もあってか、行きたくて仕方がないらしく、明日に行ってどのような店なのか確認する事に決めたようである。


「相変わらず異世界って凄えなぁ。なあ諒、ケモミミ族をひと目見たいんだけど、この世界にはいないのか?」

「あ、私も見てみたいな。ケモミミが生えた人。諒君、もしもケモミミが生えた人達が見れる町とかがあったら、旅行中にいつでも良いから連れて行ってもらえない?」


ヨシノ母と同様に、テンションの高い現役高校生の啓介と優梨。2人はキョロキョロと辺りを見回しながら、ケモミミについて話していた。


「うーん……、僕もアゼルトリア王国内でケモミミ生えた人は見た事ないね。残念だけど、そのお願いは無理そうかな。代わりになるかはわからないけど、ウチの精霊だったら好きなだけワシャワシャ触ってあげて良いよ。お菓子でも手渡しながら頼めば、ケモミミ生えた人の姿に化けてくれるんじゃないかな?」


軽く唸った後、言われてみればケモミミは見た事ないと言って軽く謝り、妥協案を口にするクジラ。2人はその妥協案を聞くと、その手があったか!というような表情になって目を輝かせていた。


「諒、諒。私達はあんたの結婚式の1時間前くらいまで、この街を散策して待っていろって感じ?あんた、まだいろんな人を魔法で迎えに行くんでしょ?」


啓介達との会話が終わるのを見計らい、クジラに話し掛けるクジラ母。いつまでもクジラはここにいて大丈夫なのかと気になったみたいだ。


「あー、確かに。そろそろ迎えに行かなくちゃいけないかなぁ。そしたら、このお金使って自由に買い食いとかしてると良いよ。警告だけども、迷宮にだけは絶対行かないでね。丸腰だと普通に大怪我するし、最悪は死ぬから」


クジラは母の言葉に対し、確かにそうだと頷く。そして、自身のお金がパンパンに入った麻袋をポンと母親に手渡した。


「あんた、元いた方だとバイトもしてない金欠高校生って感じだったのに、こっちではリッチなのねぇ。まあ、何か美味しいものを見つけたらありがたく使わせてもらうわ。それと、迷宮は行っちゃダメなのね。確かに、迷宮っていうと戦いがありそうだし、啓介君達はともかく、私達みたいなおばさんとおじさんじゃあ戦いなんて無理だもんね。了解したわ」

「この街は朝9時くらいまで朝市やってるから、そこに行ってフラフラ見物して、市場が片付けを始めた頃に結婚式場に行けば、ちょうど1時間前だと思うよ。……あ、そうだ。町の地図を渡しておくよ。はぐれたりしたらいけないし、一応人数分ね」


母が迷宮に行ってはならないという警告に素直に応じてくれた事に安心した後、クジラは朝にこの街で散策を楽しめる場所を教え、フーの町の地図を人数分具現化して母に手渡す。


「ありがとねクジラ。お礼になるかはわからないけど、結婚式中の写真撮影は任せるのよ?カメラマンの佳乃ちゃんパパもいるんだから期待してて構わないからね?」

「うん、よろしく頼むよ。ヨシノの父さんも、写真よろしくね?」

「ああ、俺に任せてくれ。異世界の写真を撮る為に、気合を入れて機材を一級品に新調したからな!きっと素晴らしい絵が撮れるよ」

「僕なんかより、リーシャのウェディングドレス姿を大量に撮影してね?報酬は、僕が見た中で1番すごいと思った景色の場所に連れてくってのでどう?」

「そりゃあ良い!おじさん、超気合が入ってきたぞ!」

「あははは、最高な写真を撮ってね。さて、僕は他の招待者の迎えに行くから、適当に街を散策しててね?なんか変な奴に絡まれたりしたら、魔王クジラの母ですとか言って時間稼ぎつつ、僕にスマホで電話を掛けると良いよ。それじゃあ後で、教会でね」


クジラは雑談をキリが良いところでやめると、そろそろ他の人の迎えに行くと口にし、空間移動でその場から消えるのであった。








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