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具現化魔法で異世界乱舞  作者: 桃山
9章閑話
1941/2000

お願い女将さん!




最終章前日譚18話になります!


本日1回目の投稿です!


それではどうぞ!









「『……リーシャには当日まで結婚式の事を伝えないサプライズをしているので、リーシャにはこの事を言わないでください』……ですか。面白い計画だと思いますよクジラ団長!きっとリーシャは、困惑しながらも嬉しさで泣いてしまいますよ!」


シータは結婚式の招待状を読み終えると、面白い計画だとクジラに伝えた。感情を隠す事なく顔に出してしまうリーシャならば、若干の困惑をしながらもボロボロと嬉し泣きをするだろうと確信したらしい。


「あはは、僕も同じ事を思ったよ。それにきっと、事前から知らせるよりもサプライズの方がリーシャは好きだろうからね。だからみんな、リーシャにバラさないように気を付けてね?今日僕が奢ってあげるのは、その口止め料みたいなものだから、遠慮しないで高いの頼んで良いよ!」

「流石クジラ団長!太っ腹!お前達、クジラ団長の財布を薄くするよ!ただし、お残しは厳禁!奢ってもらって残すのは最大級の失礼だからね!」


シータの同意を得られたクジラは、嬉しそうな表情を見せながらリーシャの性格を語り、機嫌良さげに口止め料として高い物でも気にせず注文するように伝える。それに応えたシータは、仲間達に財布を空にしてやろうと指示を出す。それでも悪ノリして失礼に値するような事は絶対にするなと注意しているのがシータらしい。


「クジラさんお待たせしました。カツ丼の大盛りですよ。シータさん達は注文が決まりましたか?」


それから2、3分ほどシータ達がなんの料理を注文しようか悩んでいると、女将がホカホカと湯気が立って空きっ腹を刺激する匂いを放つ美味しそうなカツ丼大盛りをお盆に乗せてやってきた。


「……ん?女将さん、ここのカツ丼の大盛りって、こんなラーメンどんぶりに入った巨大な物でしたっけ?」


しかし、そのカツ丼大盛りは以前クジラが食べた時よりもビッグサイズだったらしく、目をまん丸にしながら質問をする。


「ふふふ、サービスですよ。その代わり、もっと頻繁に来て元気な姿を見せてくださいね?クジラさんとヨシノさん、それにミナミさんは特別なお客さんなんですから」


女将はその特大カツ丼に驚くクジラに対して楽しげに微笑み、もっと頻繁に食べに来いと伝えた。彼女にとって、同じ世界出身のクジラ達は数少ない仲間であり、特別な存在という扱いらしい。


「あはは、わかりました。たまにはこの店に行って晩御飯を食べようって、リーシャ達に提案したりしてみますね。……あ、そうだ。シータ達の注文の前に、1つ凄まじく重要な頼みがあるんですが、構いませんか?」

「なんでしょう?私に出来る事ならば、喜んで力になりますよ?」

「まず、これを読んでください。僕とリーシャの結婚式の招待状です」

「あらまあ!おふたりの結婚式ですか!おめでとうございます。近くの教会みたいですし、喜んで参加させていただきます」


クジラはシータ達の注文の前に少し時間を頂いて構わないかと断りを入れた後、招待状を手渡す。女将は珍しく大きな声を出して驚いた後、深々と頭を下げて祝福の言葉を掛け、参加させて貰うと口にした。


「ありがとうございます。でもお願いはここからなんですよ。教会で結婚式を挙げた後、パーティ的なお食事会をしたいと考えてまして、僕的にここのお店でやりたいって思ってるんです。料理の見栄えは良いし、凄く美味しいので。よろしくお願い出来ないでしょうか?」

「ええ、全然構いませんよ。日にちは招待状にある通り、6月11日で良いんですよね?カレンダーに書いておきます」


女将はクジラのお願いに二つ返事でオーケーだと答える。そして、店内に掛けてあった壁掛けカレンダーを6月にめくり、11日にクジラさんの貸切日と記入をした。


「ありがとうございます。とりあえず、貸切代はいくらですか?パーティでの食事代は、みんながどれくらい食べるかわからないし、後払いでお願いします」

「そうですね、何人くらい招待するおつもりですか?」

「30から40人ですね」

「それなら貸切代は無しで構いませんよ。普段の売り上げを軽く超えますので。でも、そうしたら私は仕込みを頑張らなくてはならないので、結婚式には出られそうにないですね。残念ですけども、おふたりの為ですから頑張りますよ」

「……式に誘っておいてごめんなさい女将さん。そしたら当日、リーシャをドレス姿でこの店に来させるので、結婚式第2部みたいな感じで祝ってあげてくれませんか?」

「ふふふ、そうさせていただきます。もちろんクジラさんもスーツ姿で来てくださいね?それじゃあ、このお話はここで一旦終わりにしましょうか。シータさん達がクジラさんのカツ丼を見てお腹を空かせていますからね」

「ああ、忘れてた。ごめんねみんな。僕の奢りだから何でも好きなものを頼んじゃって!」


話の結果、女将は結婚式に参加せず、結婚式後のパーティ用の料理の仕込みをする事に決定する。シータ達が空腹により、ギラついた目でクジラのカツ丼を眺めていた為に話し合いはそこで終わり、シータ達の怒涛の注文ラッシュが始まった。最終的に会計は2万5000モール弱で、シータ達はクジラがこんなに高いの!?と、驚く顔を期待したみたいだが、涼しい顔をしてパンパンに膨らんだ麻袋を取り出した為、逆に驚愕させられたなんて事があったらしい。






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