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具現化魔法で異世界乱舞  作者: 桃山
9章閑話
1931/2000

費用はいくらで?





最終章前日譚8話になります!


本日1回目の投稿です!


それではどうぞ!









「どうも、2日ぶりですシスターさん」


ダーツで結婚式の日にちを決めた次の日。クジラは再び仕事を早めに切り上げ、教会へと足を運んでいた。


「あら、こんにちは魔王クジラ様。例の件ですか?」

「はい!日にちが決まったので、その日が大丈夫なのか確認を取りに来ました」


笑顔で挨拶を返して、楽しげに例の事かと聞くシスター。クジラはそれに上機嫌な様子で頷く。


「何月何日でしょうか?」

「6月11日にしようかなって思ってます。何かしらの行事でここの教会は使えないとかだったら日にちをズラしますけど、大丈夫そうですか?」


クジラは6月のカレンダーにダーツを放って決めた式の日取りを伝え、大丈夫そうかと聞いた。


「6月は特に行事とかはないですし、問題ないですよ」

「本当ですか!?それは良かった!そういえば今日は神父さんいらっしゃいますか?前回は、シスターさんだけにしか会えませんでしたし、可能ならば挨拶をして、結婚式の費用とかの話をしていきたいんですけども」


シスターに快くオーケーを貰い、喜び満ち溢れた表情を浮かべるクジラ。この教会を使わせてくれる事を快く許してくれている神父にも挨拶をしておきたいと思ったらしく、クジラはシスターに神父に会えないかと話す。


「今日は朝から暇そうに奥の部屋で本を読んでいらしたので、全然大丈夫ですよ。お呼びして来ますね」

「はい、よろしくお願いします」


シスターは彼の言葉に頷くと、呼んでくると言って教会の奥にある部屋へと向かっていった。




「おお、貴方がリーシャさんが心から愛するクジラさんですか。私がこの教会の神父です。どうぞよろしく」


待つ事3分ほど。白くて立派なヒゲを生やしたガタイの良いお爺さんが出てきた。神父という割には結構気さくな人で、出てくるなり小走りでクジラに駆け寄り、握手を求めていた。


「どうも、今はニニの街で迷宮管理をしてる魔王クジラです。この度は結婚式にこの教会を使う事を許可して頂き感謝してます」


クジラは握手に応じながら、頭を下げて自己紹介と共に感謝を口にする。


「君やリーシャさんのような若者がこの教会で結婚式を挙げてくれるなんて、光栄としか言いようがありません。きっと神も絶大な祝福をしてくださるでしょう」

「そう言ってもらえるとありがたいです。……早速式に関係する話をしたいんですけども、費用の方はどれくらいになりますか?準備と片付け含めれば1日は教会は使えないだろうし、キチンと払わせて貰いますよ」


クジラは神父の言葉に笑顔で返答した後、早速式場を借りる費用の話を始めた。ちなみに現在彼は、早いうちに支払いを済ませておこうと考えているようで、決して少なくないお金を持ち歩いていたりする。


「いえいえ、リーシャさんには隣の孤児院の子供達が日頃お世話になっていますし、無償で構いませぬ」

「えっ?いやでも、聖歌隊とか呼んだりしたら確実に数万円って費用が掛かりますよね?無料ってのは流石にこっちが受け入れられませんよ」

「聖歌隊は、うちで働くシスター4人と、孤児院の子達に任せるというのはどうでしょう?プロには何段階も劣りますが、リーシャさんを喜ばすという点では絶対に勝ると私は確信しております。それに聞きましたよ?前回来て頂いた時、5万モールもお布施として寄付してくださったとか。もう十分な対価を頂きました。これ以上は受け取れませぬ」


お金は払わなくて良いという神父に、驚いたような顔をしながら必要費用だけでも払わせろと伝えるクジラ。だが、神父も神父なりにリーシャをより喜ばせ、更にプライスレスな考えがあったようだ。クジラにそれを伝え、おまけに前回クジラが寄付したお布施の件を口にしてクジラを丸め込む。


「……あははは、参りました。じゃあその代わり、こっちから1つ条件があります。結婚式が終わったら場所を変えて宴会みたいなのをするつもりなので、それに参加して美味しいものを沢山食べてください。良いですよね?」

「ほほほっ、喜んでお受けしましょう。それでは6月11日にリーシャさんとクジラさんの結婚式でよろしいですね?シスター達に孤児院の子達と共に聖歌の練習をするように伝えておきましょう」


神父の言葉に参ったと口にすると、クジラは笑顔を浮かべて代わりの条件を出した。神父は快く頷き、改めて結婚式の日取りについて口にする。


「ええ、よろしくお願いします!さてと、そろそろ帰らないとリーシャを不安にさせてしまうので失礼しますね?」

「ええ、また何かありましたら、いつでもお越しください」

「はい!それではまた!」


その後、再び握手を交わして別れの言葉を口にすると、クジラはふんふんと鼻歌交じりに帰っていくのだった。







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