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具現化魔法で異世界乱舞  作者: 桃山
9章閑話
1924/2000

プロジェクト、始動




最終章前日譚1話になります!


本日1回目の投稿です!


それではどうぞ!









旅の終わりから1年が経過した。平和の2文字で全てが片付けられる程に落ち着いた日々を送っていたみたいだ。


コンコン


「……魔王の嫁は?」

「白髪紅目」


ガチャ


男と女が短い暗号のやり取りをすると、扉は開く。


「いらっしゃいシータ。これでみんな揃ったね」

「あの、メールで指示された通りの暗号を言ってここまで来ましたけど、何をするんです?」


暗号の上の句を口にした男……、クジラは下の句を口にしたシータを部屋の中に招き入れると、ニッコリと笑う。シータは、何となくクジラに付き合ってあげているが、これから何をするのかが全くわかっていないといった様子だ。


『私達も一切知らされていないぞ』

「俺とララなんて、電話で暇かって聞かれて暇だって答えたら問答無用で空間移動で連れて来られたよ?ねえクーちゃん、今から何をするのか教えてくれないかい?」

「そうだぞクジラ君。私は意外と就寝が早いんだ。夜遅くに召集するんじゃない」


その場にいたプラモ、ランド、ララも一切知らされていないらしく、クジラに何故集めたのか早く言えと急かす。ちなみに現在時刻はちょうど日付が翌日に変わる寸前。この場に召集された面々は、ヨシノ、ヤヨイ、カーリー、プラモ、ランド、ララ、シータの7人である。場所については、クジラ家の隣にあるデパート従業員が住むアパートの空き部屋だ。リーシャとリコとリオの姿はそこになかった。


「みんな、夜遅くに集まってくれてありがとうね。ヨシノに相談した結果、こういうのは仲間の力を借りるもんだって回答を貰ったから、集めさせてもらったよ」


クジラはもったいぶった様子で、本題に移らず、のんびりと口を開く。もう内容を知っている唯一の存在であるヨシノは、それを楽しげに傍観していた。


「クジラお兄ちゃん!長ったらしいわ!早く言いたい事を言ってちょうだい!私も眠いのよ!」


眠気に必死に抗いながら、この場にいたカーリーはそののらりくらりとした話し方に痺れを切らして怒り出す。もう深夜0時であるから、お子様には起きているのは厳しい時間帯なのだ。


「ご、ごめんね?さっそく本題に移るけど、僕とリーシャの結婚式を挙げようと思うんだ。そういう訳だから皆、協力してくれないかな?」


クジラはカーリーに怒られビクッとした後、立ち上がって本題を語り始める。そして、協力してくれないかと言いながら深く頭を下げた。


「団長の頼みならば喜んで!私に何が出来るかわかりませんが、全力で協力します!」

「俺達も、弟妹の為ならば協力は惜しまないよねララ?」

「ふっ、面倒な事は嫌いだが、今回だけだからな?」


シータ、ランド、ララは即答で協力を決意する。


「ヤヨイとカーリーとプラモはどうかな?」


元々クジラから相談を受けていたヨシノは、言わずもがな協力するつもりだろう。その為、彼女を除外して残った3人に声を掛けた。


『私はマスターが協力するのならば、協力は惜しまないさ。何でも命令すると良い』

「お兄ちゃんが頼ってくれるのは嬉しいけど、私に何か出来る事はあるかなぁ?」

「わたしもそう思ったのだけれど。結婚式に協力する為の技能なんて、会場の飾り付けを念力でするくらいしか無いわよ?」


プラモは快諾してくれたが、自分達に何が出来のだろうと言って協力を渋るカーリーとヤヨイ。協力をすると言って何も出来なかったという結果を恐れているみたいだ。


「会場の飾り付けは凄く大事だから是非ともお願いしたいね。ちなみに僕が頼みたい協力は主に、リーシャの気を引くことだから皆キチンと役に立てるよ。僕の中では、式は3ヶ月後に出来れば良いな。ヨシノには、リーシャのドレスを仕立てて貰って、僕は最高の結婚式が出来そうな場所を全力で探す。だから、僕らがそういう作業をする日は、リーシャの気を全力で引いて僕らの行動を探らせないようにして欲しいんだ」


クジラは自身が考えている仲間達にやってもらいたい事を説明する。地味に察しが良いリーシャにバレないようにする為、作業日は自分とヨシノに気を向かせないようにして貰いたいらしい。


「それなら私でも出来るね!わかったよお兄ちゃん!全力で協力する!」

「わたしもよ。頑張りましょう?」


カーリーとヤヨイは、自分達でも出来る仕事だと確信すると、ぜひとも協力させて欲しいと名乗り出てくれた。


「本当にありがとう。それじゃあ、僕とリーシャの結婚式計画の始動だね!リーシャが嬉し泣きするぐらいに凄い式を作れるよう頑張ろう?ひとまず、今日は解散にしよっか」


クジラは全員が協力の意思を見せると、ふた頭を深く下げた。数秒後に頭を上げると、爽やかに笑って頑張ろうと口にする。こうして、彼らの結婚式計画は始まった。





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