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1912/2000

弄られ団長




9章219話になります!


本日2回目の投稿です!


それではどうぞ!









「ほらほらクジラ団長、いつまでも立ってないでここの座布団にでも座ってくださいな!リーシャもその隣に座った座った!」


ハイテンションな歓迎を受け、クジラが改めて状況を再確認すると共に鼓動の速度を急激に高めていると、シータは2人の前まで出向いて早く座るように伝える。


「あ、ああうん。そうだね。そうさせてもらうよ」


クジラは思考を巡らせている時に話しかけられたからか、緊張を顔に出してしまいながら言葉を発した。それを真正面から目撃したシータの顔がニヤッとしたものへと変化したのは言うまでもない。


「ふふふっ、クジラ団長ってばウブですね〜。緊張しちゃってますよね?大丈夫ですよ。この集まりが終わる頃にはこの時間がずっと続けば良いのにって思える程に楽しくなってるはずですから!」


シータはクジラの左手を自身の右手で軽く握り、左手で握った彼の手の甲を撫でながらニヤニヤと笑い、煽り混じりの緊張を和らげるような言葉を掛ける。


「えへへ、クジラは家を出る直前にも凄く緊張してるんだ〜って話してたもんね。女の子の部屋に男の子1人だけなのが凄く緊張するんだって!」

「あぁ〜、なるほど。だからさっきリーシャからランドさんを呼んでも構わないかって連絡が来たのね。でも今回はさっき言った通り、クジラ魔王軍団の第1回会合だからダメよ」

「そしたらシータが元盗賊団から一緒に連れてきた男の子達は?4人いたよね?」


クジラは男が自分1人の状況を打開する事をまだ諦めていないらしく、思考回路を必死に回して少しでも希望がありそうな事を口にしていく。


「残念ながらあの子達はみんな15歳以下。未成年だからお酒の場に参加させる訳にはいかないですよ。だから諦めて私達とワイワイ飲みましょ!それじゃあ、とりあえず席に座りましょうね団長!」

「うぉっとっと。し、シータ、自分で歩くからそんなに引っ張らなくても大丈夫だよ」

「ふふっ、今の団長は弄りがいがあってとても面白いから引っ張りますよ!ほら、ここに座ってくつろいでくださいな!」

「クジラが弄られてるのを見るのってなんか新鮮で面白いね〜!」


シータはクジラ魔王軍団に4人だけいる男子団員は未成年だからとマトモな理由を伝えた後、少し強引に彼の腕を引っ張り、彼を先ほど指定した座布団の前へ連れて行って半強制的に座らせた。クジラが強引に連れて行かれるのを楽しげに見ながら後ろをくっ付いて歩き、彼の隣にチョコンと座って笑みを浮かべるリーシャ。まだ会合は始まっていないのに、かなり楽しそうだ。


「僕もリーシャもそんなにお酒強くないからお手柔らかに頼むよ?」

「ふふふっ、飲酒の強要とかはしませんよ。潰してしまったら楽しくお喋りも出来ませんから!それじゃあ早速、お酒を用意して乾杯しましょっか!団長はエールと赤ワインとシードル、あとは何種類かの果実酒あったっけ……?とりあえずその3つのうち、どれにしますか?」

「じゃあシードルで。シードルってりんご酒だったよね?」

「ええ、そうですよ。この街に住み始めてから出会った安いのに異常に美味しいオススメの1品です!」

「私もりんご酒が良い!」

「わかったわリーシャ。それじゃあ私も1杯目はシードルにしようかな?……団長、リーシャ、シーダルを注いだのでどうぞ!みんな、コップは行き渡った〜?」


シータは2人にシードルを注いだコップを渡すと、仲間達を見回して全員コップを手に持ったか確認をする。


「よし、良いわね。それじゃあクジラ団長、乾杯の音頭を!」

「え、僕!?ええと、それじゃあ……、第1回クジラ魔王軍団の会合って訳だけど、別に話し合う事も無いから普通に楽しく飲もうね?乾杯!」


クジラは即興ながらもグダつく事なく簡潔な言葉を口にし、乾杯の音頭をとる。


「「「かんぱーい!」」」


それにより、周囲から乾杯の声が上がり終えた後、パチパチと拍手をもらうのであった。そして、会合という名のただの飲み会が始まる。






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