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1905/2000

私だけを見なくてはダメ




9章212話になります!


本日1回目の投稿です!


それではどうぞ!









「みんなまた後でねー!バイバーイ!」


ヨシノ店長による軽いミーティングのようなものが終わり、本日の業務終了により解散となると、緩みきった雰囲気でゾロゾロとデパートの裏口から退店していく従業員達。リーシャはクジラと共に混じって外に出て、満面の笑みを浮かべながら手を振りながらデパートの従業員達が暮らすアパートの方へと歩みを進めていたシータ達元盗賊団組の女性達に声を掛ける。ヨシノとヤヨイ、おまけにヤヨイと会話をしていたカーリーは裏口の戸締りをする為、全員が出て行くまで残るらしい。


「ええ、また後でねリーシャ。クジラ団長もまた後で!楽しみにしながら待ってますね!」


リーシャに向けて手を振り、優しい笑みを浮かべて返事を返した後、クジラに向けて更に良い笑顔を見せ、夜に自分達の部屋に2人が訪れる事を楽しみにしていると伝えるシータ。


「僕達も楽しみだよ。それじゃ、また後でね」


シータの言葉に対してクジラが告げたその一言を最後に、彼らは別れてそれぞれの帰路につく。


「……ねえねえクジラ、シータ達元盗賊団の人達が美人さん揃いだからって、デレデレしたら凄い勢いで怒るからね?」

「わ、わかってるよ。わかってるからそんな怖い顔をしないで?いつもの可愛い顔に戻って欲しいな。どんな時でも僕の中でリーシャがナンバーワンでオンリーワンだから。本当だよ?そもそもリーシャの前で違う女の人にデレデレなんて後が恐ろしいこと、リーシャに怒られる事が超怖い僕には無理だからね?」


エレベーターガール姿のシータにドキッとした前科のあるクジラに、ジト目をしながら釘を刺しておくリーシャ。彼女から滲み出る威圧感というか覇気というか、そのようなものが凄まじかった。クジラはそれにビビりながら必死にリーシャの前で違う女性にデレデレなどするはずがない事を伝える。


「ふーん、それじゃあ私がいない前ではデレデレしちゃうって事なのかなぁ?」

「ぜっっっったいにしない!だからそんな冷めた目で僕を見ないで!?さっきドキッとしたの謝るから!本当にごめんね!」


リーシャが冷ややかな目をしながら拗ねた様子を見せると、クジラは彼女の右手を自身の両手で包み込み、必死に謝り始めた。


「えへへ、私は寂しいと死んじゃうから、他の女に目を向ける暇なんてないほどにチヤホヤしなくちゃダメだよ?私の心は超デリケートなんだから」

「うんうん、リーシャの事だけを見て超チヤホヤするから!……だから今回は許してくれないかな?」

「うんっ、クジラは私には嘘を吐かないもんね。許してあげるね!それじゃ、早くおうち帰ろ?」


許しを請うクジラに、先ほどまでの冷ややかな表情から一変、ニッコリと満面の笑みを見せるリーシャ。彼の両手に包まれていた右手を優しく引き抜くと、彼の左手をキュッと握り、右手で数十メートル先にあるマイホームを指差し、帰ろうと口にする。


「そうだね。帰ろっか」


そんな彼女の笑顔を見て安心したクジラは、ホッとした表情になりながら帰る事に応じ、歩幅を合わせて仲良く歩くのだった。周囲にいた従業員達に一部始終を見守られ、温かい目を向けられていたのは言うまでもない。





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