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掲げるは大きな目標




9章208話になります!


本日2回目の投稿です!


それではどうぞ!









「んんぅ〜!カーリーのガトーショコラ、超濃厚で美味しい〜!クジラのケーキはしっとりしててまた別な美味しさがあって最高〜!あと私のチョコトリュフもとっても甘くて良い感じだね!」

「まさに至福の時間って感じね!ねえリーシャ、もちろんお菓子作り対決の再戦もするけれど、共同制作にも手を出してみないかしら?手の込んだお菓子を2人で作って、家族みんなをアッと驚かせるの!」

「とっても楽しそう!もう旅も終わったし、私がお仕事の無い時ならば喜んで付き合うよ!」


お菓子作り対決がきっかけとなり、カーリーとリーシャの仲はより深いものへと昇華したらしい。2人は仲睦まじく今度は共同制作をしようと話しており、クジラが話に入っていけなくて少しだけ寂しい気持ちになりながら紅茶を啜っていた。


ガチャ


「おぉ〜、なんだこのチョコの濃厚な香り。3時のおやつなん?楽しそうじゃん私も仲間に入れて欲しいんよ?」

『うむ、私も頂きたいものだ。甘い物を食べると脳が良く働くぞ。まあ私は魔道具なのだから、魔力さえ補充出来ればそもそも食事をしなくたって支障は無いのだがな』


クジラが1人寂しい思いをしている時に現れた1人と1つの救世主。匂いに誘われたのか、ヨシノとプラモが家のリビングへとやってきた。


「あ、ヨシノ!?なんでここにいるのさ!?」


デパートでずっと探してたのに見つからなかった少女の登場に、驚きを隠せないリーシャ。


「ん?そりゃあ持ち場から失踪してサボってるバカを連れ戻す為に決まってんよ。プラモは地下に工具だかなんだかを取りに行くんだっけ?」

『ああ、棚を増設したい場所があるのだ。今は客が多くて作業は無理だが、道具だけはデパートのスタッフオンリーの場所にでも置いておこうと思ってな』

「ふーん。クジラ、お前の食ってるそれ、ちょっと食わせてくんない?昔、お母さんに教わって一緒に作ったチョコケーキにかなり似てんだけど」


プラモの話を途轍もなく興味なさげに流した後、クジラに食べているお菓子をねだるヨシノ。チョコケーキが昔の思い出のお菓子によく似ていた為、気になったらしい。


「さっきお菓子作り対決をした時に、なんとなく作り方を覚えてたから作ったんだよ。ほら、半分食べて良いよ。あと、こっちのカーリーが作ったガトーショコラも食べてあげてよ。こっちも半分食べて良いからさ」

「ヨシノヨシノ!私が作ったチョコトリュフもいっぱいあるから食べてね!」


ヨシノに自身が使っていたフォークを渡し、チョコケーキ、ガトーショコラ共に半分くらい食べて良いと伝えるクジラ。ヨシノは赤ちゃんの頃から親同士の付き合いで一緒にいた事もあり、兄妹のような存在と認識している為、異性であっても彼女に関してだけは間接キスなど全く気にならないらしい。リーシャは彼のフォークを手に持つヨシノに羨ましげな視線を送りながら、自身のチョコも食べるように伝えていた。その直後、アイコンタクトで意思疎通し、テーブルの下で誰にも気付かれないようにリーシャとヨシノが互いのフォークを交換した事は、2人だけの秘密だ。


「うんうん。このチョコケーキって、ホットケーキミックスの安っぽい味とチョコの味が良い具合にマッチして美味いんよね。カーリーも1人でここまで作れるとは腕上げたじゃん!このガトーショコラ、ワンカット150円くらいでお店に出したら、1日に2、30個くらいは売れるんじゃね?」

「凄い微妙じゃないの!ムカついたから今ここで宣言してやるわ!私はヨシノを超えるの!いつか絶対に、1日に100個限定で開店1時間もしないうちに100個全部売れるようなお菓子を作ってみせるんだから!」


ヨシノが途轍もなく微妙な褒め方をすると、カーリーは敵意剥き出しの表情をしながらズビシッ!とヨシノに向けて指を差し、どでかい目標を口にした。


「あっひゃひゃひゃひゃ!そりゃあ大きく出たなぁ!そしたらこれからお菓子作りを教える時は、今よりもっと厳しく指導しなくちゃいけないじゃん!」


その大きな目標を聞くと、腹を抱えて大げさに笑い、割と本気な様子でこれからは更に厳しくすると伝えるヨシノ。


「う、受けて立とうじゃないの!文句付けるところが無いくらい完璧なお菓子を作ってるドヤ顔をしてやるわよ!」


指導中のヨシノは怖いのか、カーリーはビビっていたが一歩も引かなかった。震えながらも上等だと告げ、さらなる成長をしてヨシノを見返す事を決意するのだった。






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