お茶会第2部
9章207話になります!
本日1回目の投稿です!
それではどうぞ!
「えへへ〜、どれもみんな美味しそうだね〜」
「うん、カーリーのガトーショコラも、リーシャのチョコトリュフも綺麗に盛り付けられてて凄く美味しそうだよ」
「お兄ちゃんのチョコケーキだって、濃厚な香りがしてとっても美味しそうよ!早く切り分けて、お茶会第2部を始めましょ!」
作ったお菓子を皿へ盛り付け終わりリビングに戻ってくると、それぞれが作ったお菓子を見て褒め合いをする3人。1分ほど褒め合うと、早く食べたくて仕方がなかったカーリーがナイフを手に持ち、自身のガトーショコラを三等分し始める。
「ふわぁ〜……、カーリーのガトーショコラ、すっごく美味しそう〜!」
「僕も同意見だよ。なんだかそのガトーショコラを見ているだけで、僕らが旅をしてる間に途轍もないほどに腕を上げたのが伝わってくるね」
三等分にカットされ、小皿に乗せられて自身の前に置かれると、それを見て目を輝かせるリーシャとクジラ。先ほどからべた褒めされ過ぎているカーリーは、先ほどからずっと嬉しそうにニコニコしていた。
「さ、お兄ちゃんも早くケーキを切って?凄く美味しそうだから、食べるのが待ち遠しくて仕方がないわ!」
「あ、ごめんごめん。カーリーのガトーショコラに魅入ってたよ。ナイフ借りるよ」
クジラはカーリーに声を掛けられると、ハッと我に返って自身の作品であるチョコケーキをカーリーからナイフを借りてカットし始める。完成度の高いガトーショコラを目前にし、その美味しそうな見た目に心奪われて思考が止まっていたみたいだ。
「えへへ〜、美味しそうなチョコのお菓子をこんなに食べられるなんて幸せだなぁ。クジラも切り分け終わったみたいだし、お菓子作り対決の勝者を決めたらどうかな?」
リーシャは目の前にあるガトーショコラ、チョコケーキ、チョコトリュフをそれぞれ見比べ、頬を緩ませながらクジラに対決の勝者を決めたらどうだと声を掛ける。カーリーの勝ちが確定しているような状態である為、リーシャは彼女の事をお祝いする気満々な様子だ。
「そうだね。それじゃあ、ひと足先に2人のお菓子を試食させてもらうね。まずはリーシャ」
クジラはリーシャの言葉に応じると、先にリーシャのチョコトリュフを1玉指で優しく摘み、口の中に放り込む。先に選んだ理由は一粒一粒がひとくちサイズになっており、食べやすかったからだ。
「うんうん、濃厚な生チョコの味がして美味しいね。じゃあ次にカーリー」
10回も噛まないうちに口の中で溶けて無くなったチョコトリュフの感想を満足げに告げた後、フォークを手に持ちワクワクしながらカーリー作のガトーショコラの試食へと移るクジラ。
「……なるほどね。じゃあ結果発表いくよ?」
カーリーのガトーショコラには敢えて何も感想を述べず、クジラは結果発表をする事を伝える。自分のガトーショコラに感想が無かった為、カーリーは途轍もなく不安そうな顔だ。
「凄い完成度で驚いたよ。言うまでもなく、カーリーの勝ちだよこれは」
「えへへ〜、クジラがもったいぶった言い方するから、私にワンチャンあるかも!?って思ったじゃん!カーリーおめでとう!私の完敗だよ!」
まあ、言うまでもなくリーシャではなくカーリーの勝ちであった。リーシャはクジラの勿体振りな結果発表に、少しドキドキした事を告げて文句を告げた後、爽やかな笑顔でカーリーを祝う。
「ふふん!けれどもクジラお兄ちゃんのチョコケーキが不戦敗になってなかったら私が1位では無かったかもしれないわ!私、もっともっと美味しいお菓子を作れるように、これから更に頑張るわね!」
リーシャに勝てた事を盛大に喜びながら、向上心忘れぬ発言をするカーリー。
「えへへ、次は打倒ヨシノだね!私もちょっとお菓子作りを勉強して、カーリーと張り合えるくらいに上達してあげるからまたお菓子作り対決をやろう?」
「ええ!もちろん受けて立つわ!お兄ちゃんもぜひ参加してね!さ、対決は終わった事だし、楽しくお菓子を食べましょ?この紅茶、とっても美味しいから覚めたらもったいないわ!」
また今度、お菓子作り対決を開催させようと約束を交わしながら、対決を終えた3人は楽しくそれぞれのお菓子を食べ始めるのであった?




