表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1897/2000

お菓子対決




9章204話になります!


本日は1話のみの投稿です。


それではどうぞ!








「なにこれ!?本当にカーリーが作ったの!?すっごく美味しい!!」


家に帰宅し、早速お茶会を始めた3人。リーシャはカーリー作のクッキーをひとかじりすると、目をまん丸にして驚いていた。


「ふふん!そうよ凄いでしょ!今回のは分量も混ぜ具合も焼き加減も会心の出来なのよ!」


カーリーは平らな胸を張りながら、ドヤ顔でクッキーの出来について語る。彼女は料理やお菓子作りが性に合うのか、ヨシノから教わり始めて以降、メキメキとその才能を開花させているようだ。


「どれどれ、僕も食べさせてもらうよ」

「うんうん!自信作だから早く食べて欲しいわ!」


リーシャの反応を見て、多大な期待を寄せながらクッキーをひと齧りするクジラ。カーリーはその様子をドキドキしながら見つめていた。


「うん!凄く美味しいよカーリー!ヨシノの作るお菓子と十分張り合えるレベルじゃないかな?」

「えっ!?本当かしら!?私、ヨシノの領域までたどり着いたのかしら!?……と言っても、まだ本当に上手に出来るのはクッキーだけだから、他のお菓子や料理でもクジラお兄ちゃんにそう言って貰えるように頑張るわね!」


クジラがヨシノのお菓子と張り合える美味しさだと伝えると、本当なのかと何度も言って大喜びするカーリー。ヨシノの料理、お菓子を作るセンスや腕前は達人とまではいかないが、店を出したら十分に繁盛するレベルのものだ。そんなレベルに到達出来たのでは?と言われたのだから、大喜びするに決まっている。十分に喜んだ後、カーリーはまだこれほど上手に作れるのはクッキーだけだと口にし、他のお菓子や料理でもクジラにヨシノと渡り合えるだろうと言ってもらえるよう努力すると意気込んだ。


「私もお菓子を作ってみようかなぁ?クジラの胃袋掴むなら、お料理だけじゃあダメな気がしてきた!」


クジラに褒められ嬉しそうなカーリーを見た影響か、リーシャはクッキーを手に取りマジマジと見ながら自分もお菓子作りに手を出そうかと口にする。彼の嫁として、彼の胃袋は自分1人の手でガッチリ掴んでおきたいと思ったみたいだ。甘味に関しては別の女に胃袋を掴まれている状態だとか、そういうのは絶対に許せないのだろう。


「リーシャの料理は愛情がこもってるからか、ビックリするぐらい美味しいし、きっとお菓子も夢中になって食べちゃうような物を作ってくれるんだろうなぁ。期待してるね?」

「えへへ、任せてよクジラ!とびっきり甘くて美味しいお菓子を作ってあげるから!ヨシノなんて軽く超えちゃうよ!」


基本的に自信過剰なリーシャは、クジラに期待されるとニマニマと口元を緩ませ、絶対に期待に沿った美味しいお菓子を食べさせてやると豪語した。


「でもリーシャ、お菓子作りの知識はあるのかしら?お菓子作りは料理と違って、分量とかをかなり精密に入れなくちゃ、それなりのものしか出来ないのよ?私がヨシノに監督してもらいながら1人でお菓子を作った時は、分量は大体だったし色々と作業が甘くて、普通に美味しいのだれど、ヨシノの作った物と食べ比べたら鼻で笑えるようなお粗末な出来だったわよ!それが悔しくて悔しくて、私は必死にお菓子作りの練習をしたのだから!」

「ふっふっふ、私なら大丈夫!いつもクジラが言ってくれるもん!リーシャはどんな事でもそつなくこなすよねって!だから私がちょっと本気を出せば、お菓子だって一流なものが作れるはずなんだから!」


エリがお菓子作りはキチンとした知識が無ければ本当に美味しい一流品は作れない事を自身の経験と共に語ると、リーシャは自信満々に自分ならきっと大丈夫だと口にした。


「言ったわね?ならば今からお菓子作りで勝負よ!材料ならばヨシノが日頃取り揃えてるから心配は無いわ!ルールは今から1時間くらいでお菓子を作って、クジラお兄ちゃんに食べてもらって美味しい方を選んでもらうの!良いわね!?」

「望むところだよカーリー!クジラ!クジラが唸るようなお菓子作ってあげるから待っててね!」


カーリーはそんな自信過剰なリーシャに宣戦布告をする。リーシャも望むところだと言って、二つ返事で応じた。


「待って待って。急過ぎるし、1時間も1人でポケッと待つのは嫌だよ。だから、やるなら僕も参加させて?あと、全く違う種類のお菓子だと勝敗を付けるの難しいからメインとなる食材は合わせようね。そうだな……、チョコをメインに使ったお菓子限定でどうかな?」


クジラは今にも凝った物を作りそうな2人を慌てて止めてルールを訂正し、付け加える。1人で暇するのは嫌なようで、自分もお菓子作りの仲間に入れて欲しいみたいだ。


「クジラも参戦!?えへへ、なんか楽しそうだから良いよ!ルールもチョコメインで異議なしだよ。ね、カーリー?」

「ええ、私もそれで構わないわ!それじゃあ早速、キッチンに行きましょう!」


カーリーの一言を皮切りに3人は立ち上がる。それと共にお菓子作り勝負は開始した。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ