表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1896/2000

仲良し?




9章203話になります!


本日2回目の投稿です!


それではどうぞ!









「えへへ、ヨシノいなかったね!帰ろっか!」


1階まで降りてくると、リーシャは満面の笑みを浮かべてそう言った。結局、ヨシノは見つからなかったみたいだ。きっとすれ違いが発生していたのだろう。


「凄く嬉しそうだね。そんなに人混み嫌だった?」

「そりゃあもう!ね、人混みは嫌だよねカーリー?」


クジラが人混みが嫌だったのかと聞くと、当たり前だと言わんばかりに大きく頷き、自身の頭の上にチョコンと乗っかっているキツネ姿のカーリーに話を振る。カーリーは性格の割に動きがトロかったりする為、人混みに飲まれてはぐれそうになる事が何度かあったらしい。その結果、キツネ姿に変化して貰ってリーシャが自身の肩に乗せたのだが、こっちの方が周囲を見やすいと言って頭の上に登ったみたいだ。そこまで重くなく、首筋に当たる尻尾が気持ち良いからか、リーシャも快く頭の上に乗せてやっていた。


「はっきり言うと嫌いだわ!特に太って汗ダラダラなオジ様に囲まれたりなんてしたら、蒸し暑いし酸っぱい臭いするし泣きたくなるもの!」


カーリーはキツネの姿でコクコクと首を縦に振り、パクパクと口を動かして返答する。他人から見たら可愛らしい金色の毛並みをしたキツネが喋っているようにしか見えない為、軽く注目が集まっていた。


「嫌だったのに付き合わせてごめんね?2人とも本当にお疲れ様。ヨシノは見つからなかったし、潔く諦めて家に帰ろっか。カーリーの作ったクッキー、楽しみだなぁ」


周囲からの視線にいち早く気付くと、何か騒ぎが起きても困るなと考えて迅速に帰宅する事に決めたクジラ。リーシャの手を引き、デパートの外に向けて歩き出した。


「ふふん!とっても美味しいわよ!そりゃあもう、ほっぺが落ちちゃうくらいに!」

「えへへ、とっても楽しみ!クジラ、急いで帰ってお茶の準備をしよう!」


2人も流石に周囲からの視線が気になって仕方がなかったのか、クジラの意見に大賛成!といった勢いで喋り、デパートから出た。


「はふぅ〜……、喋るキツネなんて悪目立ちするに決まってたね〜。凄まじい視線の数にちょっとびっくりしちゃった。カーリーは大丈夫?なんか、頭の上で微振動が起きてた気がするけど」

「わ、私は大丈夫よ!……ちょっと怖かったけど、クジラお兄ちゃんとリーシャが側にいたから絶対に危ない目に合うはずがなかったもの!」

「ちょっとだけ心がキュンってなっちゃったじゃん!まったくもう!思いっきりハグしちゃうっ!」

「ヒャッ!?リーシャ、ちょっとキツいわ!もう少し緩めてちょうだい!」


カーリーが少し照れながら、2人がいたから周囲からの凄まじい視線も少ししか怖くなかったと語ると、リーシャは全身からハートマークのエフェクトが現れそうな様子で頭の上に乗っているカーリーを両手で捕まえ、胸に押し付けギュッと抱きしめる。抱きしめる力が強かったようでカーリーは結構苦しそうだったが、それでも少し嬉しそうな様子であった。


「本当に仲が良いんだか悪いんだか……」


クジラは2人の事を温かな眼差しで見つめながら、結局2人の仲の良し悪しはどっち側に傾いているのだろうなと呟くのだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ