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1892/2000

エレベーターガール




9章199話になります!


本日1回目の投稿です!


それではどうぞ!










チーン♪


「はふぅ〜……、やっとエレベーターに乗れるねぇ〜……。私達はエレベーターに目的があるから仕方がないけど、他の人達はよくもまあそんな時間を掛けてエレベーターに乗ろうと思うね」


約20分の時間をエレベーターの前で並んで待機した事で、ようやく自分達がエレベーターに乗る順番がやってきたみたいだ。リーシャは若干疲れた様子で、到着を知らせる音と共に扉が開いて乗っていた人がワラワラと出て行くエレベーターを見つめる。


「あはは、僕もエレベーターに乗る為だけに20分も並んだのは初めてかな。シータが店番をやってる時に来れなかったのは運が悪かったね。さ、エレベーターに入ろっか」

「そうだね〜。シータってば、私達を見たら凄くびっくりするはずだから楽しみ!」


クジラは愚痴をこぼすリーシャに笑顔を見せ、運が悪かったという言葉で話を纏めると、客が全て降りたエレベーター内へと踏み出す。


「ヨシノデパートにご来店ありがとうございま……クジラ団長!!??」


すると、エレベーターを操作するボタンの前に立っていたシータが丁寧な接客をしようとしていたが、クジラの存在に驚きを隠しきれなかったらしく、目を見開き驚きの声をあげた。


「やあ、シータ。……な、なんというか、凄い似合ってるねその服装」


クジラはシータの服装を見ると、その魅力にドキッとしながら挨拶をして似合っているという事を伝える。彼女は胸元の開いた白を基調としたエプロンドレス風な制服を着用しており、スタイル抜群で褐色肌な彼女の魅力を最大限に引き上げた姿であった。おそらく、引きこもり体質な癖に無駄にファッションセンスが高いヨシノが変幻魔法で作成して着用させたのだろう。


「凄く綺麗だから気持ちがわからなくも無いけどクジラ、なんでシータにドキッとしてるのさ!」


即座にクジラのお尻をつねり、制裁を与えるリーシャ。


「いてててててっ!ごめんごめん!ごめんねリーシャ!」

「まったく、これ以上は他のお客さんに迷惑だから夜にキッチリお仕置きするんだから。覚悟してよね?」

「お手柔らかにね……?」

「ふふふふ、クジラ団長にお褒めいただき光栄です♪それにしても、相変わらずクジラ団長と仲が良いねリーシャ。元気にしてた?」


クジラとリーシャが夫婦漫才を繰り広げていると、シータは平常運転な2人を見てクスクスと笑いながらそれぞれに言葉を発する。


「えへへ、私はいつでも元気だよ!それにしてもシータ、その制服凄く似合ってるね!悔しいけど、クジラがドキッとしちゃうのも納得の見た目だよ!」

「ありがとね。ヨシノ店長が、お前見てたら創作意欲湧いた!これを制服として着用しろ!って言ってプレゼントしてくれたの。あの人、センス良過ぎてビックリしたよ」

「私も今度、ヨシノにコーディネートしてもらお〜っと。クジラが私以外の女の人に興味を抱けなくなる程に可愛い服装で誘惑してあげるんだから」

「そうした方が良いよ。密かにクジラ団長を狙ってる人っているからね。私はクジラ団長が望むならば即座に応じますよ!」

「むう、クジラに変な誘惑しちゃダメ!というかシータ、そろそろお仕事しなよ!お客さん待ってるよ!」


シータがクジラを狙っているような発言をすると、リーシャはムスッとしながらクジラに密着し、仕事をしろと告げた。


「そうだ。つい2人に会えたのが嬉しくて話し込んじゃったね。お客様、お待たせしました。どの階層へお行きになりますか?」


シータは仕事を思い出すとハッと我に返り、まだ動かないのかと自分に向けられていた視線に気付き、慌てて仕事をし始める。


「えへへ、それじゃあ私達は屋上で。クジラとカップルらしく屋上遊園地でイチャついてくるよ!」

「はい、リーシャとクジラ団長は屋上ね。他の階層が目的のお客様はいらっしゃいますか?……はい、10階と16階ですね。かしこまりました。それでは上に参ります」


元盗賊団だとは信じられない丁寧な言葉遣いをし、だいぶ慣れた様子でエレベーターガールをこなしているシータ。クジラとリーシャはそれを見て、仕事を邪魔して悪かったかなと少しだけ反省をするのであった。






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