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1883/2000

洋館みたいな牢屋の迷宮




9章190話になります!


本日1回目の投稿です!


それではどうぞ!








『ワフゥ……』『ワゥ……』

「えへへ、リコリオは洋館型の迷宮が私達の新しいお家だと思って侵入者から守ろうとしてくれたんだよね〜。よしよし、ありがとね?でもここは洋館型の迷宮だから、フーの街にあるお家と違って知らない人が入っても良いお家なの。わかるかなぁ?」


場所は洋館の玄関前から寝室に移り、リーシャは、耳を垂らして俯き落ち込むリコとリオの頭をワシャワシャと撫でながら、慰めの言葉と共にこの洋館には知らない人でも入って良いんだと教える。自分達が間違った行動を取っていた事を深く理解しているらしく、2匹はかなりショボくれた顔をしながらリーシャの言葉に耳を傾けていた。


「ねえリーシャ。今、迷宮探索者の為に洋館を出入り自由にして思ったんだけどさ?この洋館の中を自由に歩かせる訳だから、迷宮じゃなくて洋館の中を物色して盗みを働くような悪人が出て来そうだと思わない?」


クジラはそんなペット達のしつけをするリーシャを見ながら、先ほどの出来事によって抱いた問題を口にする。


「考えてみたらそうだねぇ。クジラは何か対策を考えたりしてるの?」

「ん〜、そうだね。洋館の中に大きな檻を具現化魔法して、玄関口から地下迷宮に下りる階段までをまるごと覆っちゃおうか。それで檻の適当な所に扉を作って、その扉から合鍵を使って洋館の奥へと入るようにするって感じでどうかな?」

「ありだと思うけど、普通の鍵はダメだよ?盗み働く人って鍵が無くても簡単に鍵を開けちゃうらしいもん!そもそも、檻に扉を作らなくて良いんじゃない?クジラの空間移動じゃなきゃ入れないようにすれば良いじゃん!」


クジラの考える対策に軽いダメだしを入れ、改善案を出すリーシャ。この洋館は自分達の第二の家のような場所な為、この話し合いは真剣そのものだ。


「……そっか。空間移動でのみ入れるようにすれば良いか。でもその場合、僕が仕事中にうっかり寝てたりしたらリーシャは待ちぼうけする事になっちゃうよ?」

「必死でクジラのスマートフォンに鬼電するから大丈夫!そもそも、クジラは性格的に仕事中は眠ったり出来ないでしょ?ほら、問題なんて何もないよ」

「僕の方から何も言い返せないし、確かにそうだね。じゃあ玄関前から迷宮に下りる階段までの範囲に扉無しの檻を具現化して悪人対策をする事に決定するよ。今からチャチャっと具現化してくるから、リーシャはリコリオを慰めながら2分くらい待っててね?」

「えへへ、了解だよ〜。リコリオの事、たーっぷり慰めておくね!よーしよしよし!」


最終的にリーシャの案を通す事に決めると、クジラは早速具現化して来ると伝えて立ち上がる。リコリオの慰めという指示を受けたリーシャは、思いっきり2匹を抱きしめながら撫で回し始めていた。




クジラがこの檻を具現化した事で、この洋館型迷宮は『外見は洋館だが中は牢屋のようだ』という噂が広がり、ひと月後には街が噂によって興味本位で遠征に来た探索者で溢れかえる事になるのだが、今の彼らにはそれを知る由もない。





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