唐突彼女
9章188話になります!
本日2回目の投稿です!
それではどうぞ!
「はいクジラ、クジラはマグロの赤身が好きだったよね?あ〜ん♪」
「あむっ……。うん、すごく美味しいよ。久々にお寿司を食べる凄く美味しく感じるね。確かこの間食べた時に、リーシャは海老アボカドが好きになったって言ってたよね?あーん」
朝9時。リーシャの要望により、朝食としてお寿司を食べていた2人。初めは普通に食べていたのだが、リーシャの行動がきっかけとなって食べさせ合いになり、現在に至る感じだ。
「はむっ……、うん!海老アボカド美味し〜!このアボカドって野菜が海老と絶妙なマッチをしてて超美味しい!」
「リーシャは本当に美味しそうに食べてくれるから、見てるだけで満足してるよ。ほら、もうひとつお食べよ。あーん」
「やったぁ!はむっ……、ん〜♪堪らない〜!……ねえねえクジラ、そういえばさ?」
「ん?どうかしたかな?」
リーシャは、2つ目の海老アボカドの寿司を食べさせてもらって飲み込んだ後、少し真面目な顔になりながらクジラに声を掛ける。その真剣さが伝わったらしく、彼の方も真っ直ぐとリーシャを見つめて顔つきを変えた。
「リコとリオは?」
「…………あっ」
リーシャの一言に、クジラは小さく声を漏らす。
「そういえばいないっ!イチャつき過ぎて思いっきり忘れてた!」
「ほぇぇっ!!??昨日、私とマールさんを抱えて洋館に来た時は連れて来てたの!?」
「……ごめん。僕も少しだけ酔ってたし、2人で手がいっぱいで完全に忘れてた……」
「うぅ……、クジラの事を怒れる立場にいないから何も言えない……!どうしようどうしよう……」
リコとリオがいない事に気付き、慌て出す2人。リーシャは、自分がグデングデンになったせいでリコとリオを忘れてしまったと責任を感じているようで、困り果てた様子で弱々しい声を漏らし始める。
「……悪いのはリーシャだけじゃないよ。あの場で意識がマトモだったのに忘れて帰っちゃった僕だって悪いから。……僕の予想だと、不良グループの女の人達に無茶苦茶可愛がられてたし、僕達が忘れて帰っちゃったから、連れ帰ったりしてくれたんじゃないかなぁ?リオなんて魔王石を誤飲したせいで空間移動とかを使えたりするんだし、洋館に帰るなんて簡単に出来るはずだもん」
「……確かに。リオがいれば2匹ともちゃんと帰って来られるはずだもんね。うん、そうだと良いなぁ。よし決めた!とりあえず私!街内を走り回ってリコリオを探してみる!それで見つかったら昨日はごめんねって謝る!それじゃあ行ってきます!」
ガチャ!バタン!ダッダッダッダッ……
だが、クジラの一言がリーシャを案外簡単に救ったみたいだ。それもそうかと呟き、クジラの意見を受け入れると立ち上がり、全力ダッシュで部屋から出て行った。ちなみに服はマールと身支度を整えた時に着替えている為、そのに出ても恥ずかしくはない格好だ。
「えっ!?ちょっとリーシャ!?……えぇ、マジか。凄い唐突だな……。とりあえず残ってるお寿司食べちゃお」
クジラは彼女の行動の唐突さに驚いた後、残ったお寿司の処理を黙々と始める。
……ダッダッダッダッ!ガチャン!バタッ!
「クジラァ!!大変大変!!」
「えっなに!?」
だがしかし、20秒もしないうちにリーシャは全力ダッシュで部屋へと戻ってきた。




