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洋館型迷宮でのひと時




9章176話になります!


本日2回目の投稿です!


それではどうぞ!









「ふう、これは美味しいな……。口に含むと、驚く程に心が落ち着くのが実感出来る」

「本当ですね。なんの茶葉なのかはわからないですけど、きっと高級品なんでしょうね〜。リーシャもこっちに来て一緒に紅茶飲もうよ。美味しいよ?」

「あぅ〜……、行きたいけどダメ〜……。このベッド、寝心地が最高過ぎて起き上がれない〜……」


クジラ達は洋館型迷宮の2階にあった迷宮管理層と似たような作りの部屋にいた。クジラとマールはソファに座り、紅茶を啜りながら優雅にくつろぎ、リーシャは天蓋付きのベッドで迷宮管理層の時と全く同じようなグータラ状態になっている。ちなみに2人が飲む紅茶は、部屋にあったティーパックを使って作ってみたものだ。相当美味しいらしく、飲む度に満足そうな息を漏らしている。


「どうせ今日はここに泊まるんだし、夜になったら思う存分そのベッドで寝れるよ。ほら、起きた起きた」

「うあぁぁん、いやぁ〜」


クジラはフカフカのソファからゆっくり立ち上がると、あっちにゴロゴロ、こっちにゴロゴロと広いベッドの上を転がり幸せそうな声を漏らすリーシャの手をガッチリと掴み、ベッドから引きずり下ろす。その時彼女は何とも気の抜けるような声を出し、若干の抵抗をしていたが、最終的には嫌々ながら起き上がり、クジラとマールが座っていたソファの真ん中に座り、自分の分であろう手が付けられていないカップを手に取り香りを嗅ぎ始めた。


「ズズズッ。あぁ〜……。なにこれ、飲むと凄いホッとするね!この洋館、寝床は最高だし凄いお洒落な内装だし、おまけに紅茶は美味しいし、さいっこうな場所だよ!私、本気でここに住んでも良いや〜」


リーシャは良い匂いで表情を緩ませた後、フーフーと紅茶に向けて息を吐いて飲める程度に冷まし、クジラ達の評価によってどんな味かワクワクしながら啜る。予想以上に美味だったらしく、リーシャは目をまん丸にして美味しいと口にした。


「確かに、この洋館は凄く居心地が良いね。初めは高級感あり過ぎて落ち着かないかなとか思ったけど、家具も床も壁も暖色で統一されてるからか、不思議と落ち着くんだよね。リーシャがここまでダラける理由もわかるよ。ふぁあ……、リラックスし過ぎたのか眠くなってきたなぁ」

「ははは、2人とも仕事中とは全く雰囲気が違うな。こうして見ていると、本当に2人は勇者と魔王なのかって疑問に思ってしまうぞ」


リーシャのダラけっぷりが感染したのか、欠伸をしたりと完全に気が抜けた姿を晒すクジラ。マールはそれを見て微笑み、2人の雰囲気の違いを指摘する。


「えへへへ、それを言ったらマールさんだってそうだよ〜。ご飯食べてる時のマールさんは子供みたいな可愛い笑顔浮かべてて、勇者には見えないよ?」

「たまに良い顔をしてご飯を食べるっていろんな人に言われるんだが、私って一体どんな顔をしながら食事をしているのだろうか……?」

「マールさんの食べる姿を見て嫌な気持ちになる人なんて誰もいないし、むしろ大抵の人は気分を良くするだろうから気にしなくて良いの!だからバーベキューが始まったら、遠慮せずにガンガン食べようね!」

「……そうだな。悪い癖とかでないのならば、気にする必要もないか。よし!十分にくつろいだし、バーベキューの為に腹を減らしておこう!リーシャ!クジラ君!私と勝負しないか!なんならまた、2対1で構わないぞ!」

「うぇぇ〜、今はダラダラしてたいよぉ〜」

「リーシャとマールさん、行ってらっしゃい!僕はここでポケーッとしてるから頑張ってね!」


この5分後、洋館の外にはそのままバーベキューに混じる事が出来るようにする為か、ジャージを着用して模擬戦に没頭する3人の姿があった。








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