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辿り着いた提案




9章158話になります!


本日1回目の投稿です!


それではどうぞ!









「あと5分……。うむむむむ〜……、うがー!諦めちゃダメ諦めちゃダメッ!」


リーシャは目を細めてブツブツブツブツと何か言葉を発していたと思うと、突然奇声をあげて首をブンブンと振り始めた。本気で詰みかけているといった様子である。


「……ねえリーシャ。行き詰まっているみたいだし、ちょっと良いかな?僕もリビングで荒くれ者のみんなと一緒に色々考えたんだけどさ?1つだけ面白い提案があったんだ。どういう提案かというと、自分達の街を愛する想いと、存続を希望する若者のみで街を存続させる覚悟だけじゃあどう足掻いても、街の長のお爺さんが首を縦に振ってくれないなら、絶対に街を存続させなければならない状況を作り出せば良いんじゃないか?っていう感じの提案だよ。まあ、そんな状況作れないだろうって事で却下になったんだけどね。それを横で聞いて、僕らならば何かそういう状況を作り出すこと、出来ないかな?……って思ったんだ。考えの参考になったら嬉しいな」


そんな、自分の力でなんとかするとマールに告げた事で下手に意見を求める事が出来なくなっていたリーシャに、極力思考を邪魔しないよう控えめな声で、方向性の違う解決策を考えてみてはどうかとアドバイスをするクジラ。


「街を存続させなければならない状況を作り出す……かぁ。言われてみれば確かに。今のニニの街は人口減少が続いて自衛力を失っているみたいだし、街を存続させる理由なんて何一つ無いもんね。……あ、お爺さんの前でこんな街に対する暴言みたいな事を言ってごめんなさい!」

「いえ、事実ですので気にしませんよ。それよりもあと4分しかありませぬが、本当に意見は出るのですか?」

「……出します!絶対出します!徹底的に捻り出します!」

「は、はぁ……」


ニニの街で1番偉い人間の前でサラッとニニの街をディスるリーシャに対して、優しく微笑む街の長のお爺さん。だがしかし相当話し疲れたらしく、残り僅かな時間を惜しんで頭を働かすリーシャの必死過ぎる返答を聞くと、困った顔を浮かべていた。休みたいから早く退出して欲しくて堪らないらしい。


「この街が存続しなくちゃならない理由……。アゼリアは国の中心だし、王様の住まうお城があるくらいだから失くなるとアゼルトリア王国が大混乱するはずだね。つまりアゼリアの街は絶対に必要。フーの街は年々と新生児と移住者で人が増えて定期的に街の拡張がされてるくらいだから、存続させなきゃ路頭に迷う人が大量に出ちゃう。これはアゼルトリア王国で1位2位を争う規模のアゼリアの街でも言える事か……。そもそも何でフーの街って移住者が多いんだろう?あ、フーの街には迷宮があるから、迷宮探索者がフーの迷宮目指して街にやって来て、探索者達が拠点として貸し屋を借りたり、お金に余裕がある探索者は家を買ったりして移民として登録されるからかなぁ?人数が多いパーティは宿よりも格安の家を探して借りた方が割が良いなんて事、よくあるもんね。そっか、フーの街は人口が多いから存続させなきゃ大変って思ったけど、迷宮があって探索者が沢山街に来て沢山食料品や日用品、武器や防具にその他諸々を買ってくれてお金の周りが良いから、街がダメになる事が無いんだ。むしろ探索者用の道具を売る専門店とかもフーの街に移転して来たりして、年々と活気が更に増してきてるみたいだしね。つまりはニニの街に迷宮が出来れば、街に探索者が沢山来て自然と活気付くだろうし、探索者用の道具とか携帯食料とかを販売する店をニニの街に構えたいって言って街に移住してくる商人も出てくるはずだから、街を存続させなければいけなくなるんじゃ……?」


リーシャは1つの提案に辿り着くと、パッと顔をあげる。


「お嬢さん、時間ですよ。もう老体には辛いですから、休ませてください」

「……わかりました!その代わり、この街を存続させざるを得なくする方法、多分思いついたので勝手にやらせてもらいますね!やっと、やっと思い付けた気がします!」

「……街の破壊とか、そういう街に害あるものでなければ構いませんよ?」

「はいっ!!クジラ、マールさん!退出しよう!」


出来るかどうかはわからないが、今までの提案よりは圧倒的に期待出来そうな提案を思いついたリーシャは、やる気に満ち溢れた声でクジラとマールに声をかけ、部屋を退出していった。






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