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殲滅後に聞く真実




9章139話になります!


本日2回目の投稿です!


それではどうぞ!









「……はぁ、期待はずれだったなぁ」


リーシャは心底つまらなそうな顔で、床に倒れ伏した10人ほどの荒くれ者を見る。もちろんその中にはボスも含まれていた。リーシャの完全勝利だ。ボスは手下よりは確かに強かったようだが、それでも戦闘狂呼ばわれするリーシャの足元にも及ばなかったようである。


「バ、バトルジャンキー……」

「む、私に新たな不名誉なあだ名を付けたのは誰っ!?口動かせるならばまだ戦えるよね!さあ!立ち上がって!」


荒くれ者の1人がボソッとリーシャに対して思った事を呟くと、彼女はいつもと変わらぬ可愛らしい怒り方で今言葉を呟いた者に立つよう言い放つ。もちろん、彼女にコテンパンにやられた後なので、立つ者などいない。


コンコン


「おーい、もう終わった?」


そんなリーシャが支配した空間に、律儀にノックをしてから入室するクジラ。彼女が荒くれ者達を制裁している間、空気を読んで廊下でリコとリオと共に遊んでいたようだ。


「クジラ!これで解決だよ!ロープで縛ってあげて!」


リーシャは右手でブイマークを作ってドヤ顔をしながら、クジラに捕縛するようにお願いする。


「うん、了解だよ。それで、ボスの人はどれ?」

「この1番タバコ臭い人!」


クジラはロープを具現化しながら、リーシャにボスはどれだと聞く。多少の尋問をするのだろう。リーシャはボスと呼ばれていた人物を指差し、短時間で感じたボスの特徴を伝える。


「ああ、この人か。もう動けないだろうけど、一応ロープで縛りますね?」

「……クソッ、勝手にしやがれ」


クジラはボスの人の前に立つと、軽く断りをいれてからロープでボスの手首と足首を縛っていく。リーシャに完敗したせいで心がポッキリ折れたのか、一切の抵抗は無かった。


「……ちなみに、どういった理由で街を占拠したんですか?」

「……この街の住民は来年末までに、全員で隣のフーの街に移民する事になっている。つまりこの街は失くなる予定なんだ。かなり小規模でなおかつ少子化が進んだ事で自衛能力が凄まじく低いから、大型の魔物でも攻め込んできたら勇者が助けに来る前に街が壊滅する可能性が高いという事が理由だな。俺達のチームは全員この街で生まれた奴らなんだが、この街が失くなる事に全力で反対したんだ。けども、街の長は俺らチンピラの意見なんて鼻で笑って1つも聞きやしない。だから、街を存続させたいっていう声を届ける為の行動に出たんだ」

「……えっ、意外とマトモな理由?てっきり山賊か何かが街に襲来したものだと思ってたよ!」

「俺らはただのチンピラだ!一応この街でマトモに働いている!」


街を占拠した理由を語る荒くれ者のボス。彼らはこの街のチンピラ集団だったらしい。通りで、たいして強くないはずだ。


「ねえクジラ、なんか私達は誤解して悪は殲滅って言ってボッコボコにしちゃったけど、よく話を聞く必要がある気がしないかな?」

「……うん、少し話を聞いてみようか」


ボスの話を聞き、ただ一方的な殲滅をしていた事に申し訳なさを感じたらしいリーシャ。クジラは彼女の言葉に頷き、ボスからより詳しい話を聞く事に決定するのであった。






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