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やって欲しい事を




9章127話になります!


本日2回目の投稿です!


それではどうぞ!









「リーシャ、具合はどう?まだヒリヒリする?」

「相変わらず変化無しって所かなぁ〜。今日1日は、冗談抜きで何にも出来ないお人形状態かもしれないや。迷惑掛けてごめんね?」


車に乗り込み、旅を再開して30分程度経った頃。少しばかり運転に慣れてきたクジラが、横目でリーシャを見ながら大丈夫なのかと声を掛ける。彼女の方は全然大丈夫ではないらしく、首をフルフルと小刻みに横に振って全く痛みが和らぐ様子は無いと答えた。また、今日の自分は何の役にも立てないという事を実感出来たからか、素直にペコリと謝るリーシャ。


「迷惑だなんて思わないよ。リーシャは優秀だし、滅多な事で迷惑を掛けて来ないから、リーシャが掛けてくる迷惑は僕にとってご褒美みたいなものかな。それに迷惑事を解消した後は、リーシャから素敵なお返しが貰えるだろうしね」


頭を下げる彼女の後頭部を軽くクシャクシャと撫でながら、冗談を交えて笑うクジラ。


「えへへ、お返し目当てかぁ。クジラは私に何をして欲しいのかな?」

「リーシャが僕に1番して欲しい事をやってみて欲しいな」

「私がクジラにして欲しい事を私がクジラにするの?」

「うん、そしたら今度リーシャに何かご褒美をあげたりする時の参考にもなるからね」


気が付けばクジラは車の速度を30km以下に落とし、リーシャとの会話を楽しみ始めていた。リーシャは彼のお願いに照れながらウンウンと頭を悩ませている為、速度の指摘など思考の中から消えていた。


「どうかな?思い付いた?」

「むぅ〜、クジラにしたい事なんていっぱいあるからなぁ。どれが1番かなんて考えられない〜」


リーシャはどんな妄想をしたのか、頬を緩ませて幸せそうな表情を浮かべている。そんな顔で困っていそうな声を発している為、なんとも不思議な様子だった。


「きっと僕にとっても嬉しい事だろうから、1つに絞らなくてもいいよ?」

「本当にっ!?えへへ、そしたら私、理性なくして大暴走しちゃうよ?」

「理性をなくすって何をするつもりなのさ…」

「んふふ〜、それはナイショ♪暇さえあれば、ちょこちょことクジラに私からのご褒美をあげていくからね!楽しみにドキドキしながら待っててね?」

「わかったよ。何をしてくるんだろう。楽しみにしてるね」


リーシャが唇をペロッと舐めてちょっぴり色気を出しながら楽しみに待つよう伝えると、クジラは彼女の仕草にドキッとしながら頷く。


「…あっ!クジラ!また車の運転サボってる!私の注意を逸らす度に速度を落とすんだから!20kmって流石に速度下げ過ぎだよ!」

「あははは、ごめんごめん。喋ってる時はゆっくりにした方が安全かなぁって思ってね」


クジラは彼女がどのように仕掛けてくるのかなとドキドキしながら待機していたが、この会話の直後に何かしてくるという事はなかった。リーシャは考え事が終わると、クジラが車の速度を下げ過ぎている事に気付くと、いつも通りプンプンと怒りながら速度の指摘をするのだった。






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