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1806/2000

発散と反省




ごめんなさい予約投稿時間がズレてました!


9章113話になります!


本日1回目の投稿です!


それではどうぞ!









「ケプッ…、ご馳走様!腹ごなしに剣を振ってくるっ!」

「う、うん。いってらっしゃい。外は暗くて危ないからテントのすぐ近くでやるんだよ?って、言葉に一切耳を貸さずに出てっちゃったよ…」


リーシャは凄まじいペースでラーメンを食べ続けていたが、ようやく満腹になったみたいだ。2回目のおかわり分の麺を食べ終え、スープまで完飲すると刀を手に持って立ち上がり、外へと駆け出す。満腹になっても機嫌に変化はなく、彼に対しての冷たい態度は変わらないままであった。ちなみに食事中に彼女はクジラに向けてご飯を食べているから話しかけるなオーラを放出していたらしく、おかわり以外に会話のやり取りは一切無かったらしい。いいかげん寂しくなってきた様子のクジラは、リーシャがテントの外へと出て行くのを眺めながら、1人ショボンとラーメンをすすっていた。


「ふんっ!ふんっ!ふんっ!」


テントの外に出ると、怒りを発散するように掛け声と共に刀を振るうリーシャ。おやつ後の時とは違い、ただただ力一杯に振り回しているだけだ。動きのキレもクソも無い。


「今回ばかりは本気で怒ったんだからー!確かに発端の原因は私かもしれないけど、人が本気で恥ずかしがっている事をニヤニヤしながらしつこく聞く事も無いじゃん!バカバカバカバカッ!クジラなんて、私がテントから出て行った時みたいに、私と会話出来ない寂しさでションボリしてればいいんだっ!バーカ!バーカ!バーーーーカッ!!」


リーシャは怒りを声に出し、ストレス発散に全力を尽くす。その結果、クジラの顔を思い浮かべ、バカと叫びながら刀を振るうといった発散方法を編み出した。他人目線で見たら、あの子は何故バカと叫びながら素振りをしているのだろうという感じに不安がられる光景である。




「う〜ん…、かなり本気で怒らせちゃってるみたいだね…。リーシャがカミングアウトした事の詳細を聞きたかっただけなんだけども、そんなにしつこく聞いてたかなぁ僕…」


外から聞こえる怒声に耳を澄ませ、かなり反省したような声色で言葉を発しながら、リコとリオの頭を撫でるクジラ。なんとも悲しげな表情であり、リコとリオは同情して慰めるように、彼の膝をペロペロと舐めていた。


「はぁ…、とりあえず今すぐにでも全力で謝って許してもらいたいところだけども、リーシャの気持ちが落ち着かないだろうし、今日は無理なのかなぁ…。寝る前に軽く会話をしてみて、取り付く島もない様子だったら諦めて明日許してもらえるようにチャレンジをするか…。うん、そうしよう。とりあえず今はリーシャが帰ってくるまで、大人しく聞き耳を立ててようかな。もしかしたら謝罪をする為のヒントが聞けるかもだし」


クジラはリコとリオに向けてつくり笑い浮かべ、必要以上に心配しないよう安心させながら、テントの外で怒声を発するリーシャの声に、持て余す神経全てを集中させる。


『バーカ!バーカ!バーカ!クジラのバーカ!今度、クジラが恥ずかしい思いをしたら、羞恥心に耐え切れずに泣くまで弄ってやるんだからー!バーカ!』


リーシャはそれから30分ほどストレス発散をすると、喉を枯らしてテントへと戻るのだった。






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